2020 Fiscal Year Annual Research Report
森林管理AIシステムによるシンギュラリティは実現するか?
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19H02991
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
三木 敦朗 信州大学, 学術研究院農学系, 助教 (60446276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥山 洋一郎 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 助教 (30468061)
白澤 紘明 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (50629186)
斎藤 仁志 岩手大学, 農学部, 准教授 (60637130)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 林業 / AI |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は新型コロナウィルス感染症の蔓延のため、予定通りに進まない部分もあったが、下記の研究をおこなった。 (1)森林管理の実務者が利用する、森林管理用アプリケーションを開発し、事業体で試用した。GISをベースとして、単独(スタンドアローン)でも動作するもので、森林管理へのAIの応用の基礎となるシミュレーションモデルでもある。このアプリケーションによるシミュレーションの実施は、今後の木材生産・森林管理の将来予測や、機械学習や最適化等の技術に基づき管理案を提案することに役立つものである。 (2)上記のためのデータとして、出材量推定のためのスギ・ヒノキのサンプル調査(細り表)をおこなった。ドローンを活用した間伐施業の実行管理の手法について調査をおこない、検討した。これにより、単木単位での情報が得られない場合でも、おおよその間伐実態の把握が可能であることが明らかにされた。また、関連して、素材(木材丸太)生産時のデータ収集の意義について普及活動をおこなった。 (3)林業事業体・林業労働についての調査を実施した。事業体内部での業務の役割分担の実態、事業体の人事管理、林業労働者の業務についての意識、労働災害がどのような事業体で発生するのか、などについてである。これによって、林業の高度機械化の影響が明らかになったほか、無人化技術による改善が示唆された。 (4)資本制経済のもとでの林業技術の発展と、それが土地所有や労働、森林環境に与える影響について検討した。また、市町村での森林管理をめぐる合意形成、市民が主体となった森林政策の樹立について調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の蔓延のため、調査行為が制約をうけたためである。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、森林管理に関するAI化についての情報を収集し、また開発・検証をおこなう。 アプリケーションの試用を通じて、シミュレーションをおこない、木材生産・森林管理の将来予測や、機械学習や最適化等の技術に基づき管理案を提案することに結びつける。 調査に関しては、対人調査が主体であり、また県境・国境をまたぐ往来を必要とするので、COVID-19対策の影響で極めて厳しい状況におかれているが、可能な範囲で実施する。 理論的な検討に関しては、先行して実施しているものを書籍化し、研究成果の普及をはかる予定である。
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Research Products
(8 results)