2020 Fiscal Year Annual Research Report
Contributions of woody root decomposition to soil carbon storage with soil depth
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19H03012
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Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
酒井 佳美 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (40353700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀澤 栄 高知工科大学, 環境理工学群, 教授 (20368856)
鵜川 信 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 准教授 (30582738)
徳地 直子 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 教授 (60237071)
稲垣 哲也 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (70612878)
上村 真由子 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (60444569)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 樹木根 / 分解 / 土壌深さ / 初期条件 / 広域調査 / ハイパースペクトラルイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
土壌の深さ別の分解能力推定手法開発のための予備試験を継続した。約1年間分解させた木杭を回収し、本木杭を模擬根と仮定して分解による材密度変化の可視化のための近赤外光によるハイパースペクトラルイメージングデータを取得した。 広域での樹木根分解過程の影響要因解明のため分解試験をおこない分解期間2年の分解速度を推定し、樹木根分解試料の微生物群集を明らかにした。全国7試験地のリターバック法による分解試験の2年間の重量減少率を用いて推定した分解定数を比較し初期分解への影響要因を検討した。各試験地の重量減少率に一次指数関数を用いて近似計算した分解定数は市販の丸太材の四割材で0.02~0.51、疑似材は0.09~0.97、枝と根では0.15~0.57の範囲であった。四割材と枝と根は気温と正の相関がある一方、疑似材は気温以外の要因の存在が推察された。固形の木材と、疑似材のように細片化した木片では分解への主たる影響要因が変化すると考えられた。土壌深さ別に比較すると、分解が最も早い深さは5-10cm(群馬水上、筑波山、熊本)あるいは20-30cm(標茶、羊ヶ丘)となり、試験地間で傾向が異なることが明らかとなった。微生物群集の判定を四割材の分解試料を用いて進めた。北海道(標茶、羊ヶ丘)を除く5か所の試験地間で比較すると、群馬水上の微生物相が他の4か所とは有意に異なっていた。群馬水上では落葉広葉樹林、他の4か所はスギ人工林に設置しており植生の影響が予想され、さらに検討を進める予定である。また、試験地全体の傾向として、バクテリアと真菌類の多様度に相関が認められた。 広域の環境変化をより詳細に解析するため新たに2か所の試験地を設置した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
広域での樹木根分解過程の影響要因解明の分解試験において、試験地の予期せぬ豪雪によって一部の分解試験の実施に遅れ等が生じたが、翌年に試験を継続させることにより、予定していたデータセットが取得できた。また、土壌の深さ別の分解能力推定手法開発のための試験、および樹木根分解試料からの微生物群集評価は順調に進展することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には研究計画に従って順調に進展していることから、今後も計画に沿って研究を進行する予定である。
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Research Products
(3 results)