2019 Fiscal Year Annual Research Report
1細胞解析系と性転換モデルによる魚類生殖腺の性的可塑性に関する分子機構の解明
Project/Area Number |
19H03049
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
太田 耕平 九州大学, 農学研究院, 准教授 (10585764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻野 由紀子 九州大学, 農学研究院, 准教授 (00404343)
C Tapas 愛媛大学, 南予水産研究センター, 研究員 (70715440)
Mohapatra Sipra 愛媛大学, 南予水産研究センター, 研究員 (80715441)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | q / 魚類 / 生殖幹細胞 / 性転換 / シングルセル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、シングルセル解析系を性転換モデルに導入し、魚類の成体生殖腺の性的可塑性の起点となると考えられる“生殖幹細胞”および“未分化体細胞”の各細胞集団を詳しく解析することにより、集団に含まれる個々の細胞の機能や転換に関わる細胞変化のメカニズムを明らかにする。令和元年度は研究代表者が構築した性転換魚ホシササノハベラ(ベラ科魚)の実験系を用い、シングルセルでの網羅的遺伝子発現解析(Single-Cell RNA Seq)系の確立を試みた。フィールドから採集したホシササノハベラをの雌雄を飼育後、卵巣および精巣に存在する生殖幹細胞と未分化体細胞について、細胞サイズと幹細胞マーカーによる標識をもとに、酵素処理による細胞分散とセルソーターを用いての細胞解析と細胞分取を行った。その結果、1細胞毎に細胞を分取する方法を確立した。これをもとにシングルセルRNA-seq解析のためのライブラリーを調整し、次世代シーケンサーを用いてシーケンス解析を行った。得られた塩基配列情報は、ホシササノハベラ生殖腺(卵巣、精巣、および性転換個体の生殖腺)の網羅的な遺伝子発現解析(RNA-Seq解析)により取得した発現遺伝子データにマッピングするとともに、正規化やクラスタリング解析を行うことにより、1細胞毎の遺伝子発現データを取得することに成功した。一方で、未知遺伝子や転写調節領域の配列情報の取得、および発現遺伝子のマッピング精度を高めることを目的として、ホシササノハベラのゲノム情報の整備も進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子発現解析の過程で、委託業者による試料の紛失により、解析に遅れが生じたが、最終的に目標としていたシングルセルでの網羅的遺伝子発現解析(Single-Cell RNA Seq)の系を確立することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度に構築したシングルセル解析系をもとに、性転換魚ホシササノハべラ(べラ科魚)の実験系を用いて性転換個体のシングルセル解析を行うことにより、転換に機能(速やかに変化)する細胞を特定する。一方で、雌雄異体魚を用いて性転換魚と同様のシングルセル解析を行い 、性転換魚と雌雄異体魚との間での細胞の特性や変化に関する比較を行う。
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Research Products
(8 results)