2021 Fiscal Year Annual Research Report
農業分野における天候インデックス保険のボトルネックと普及可能性の評価
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19H03069
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 貢士 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (20420226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧 雅康 福島大学, 食農学類, 准教授 (50375391)
本間 香貴 東北大学, 農学研究科, 教授 (60397560)
乃田 啓吾 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (60646371)
増冨 祐司 国立研究開発法人国立環境研究所, 気候変動適応センター, 室長 (90442699)
黒田 久雄 茨城大学, 農学部, 教授 (20205256)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 農業被害 / 気候変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
インドシナ半島中央部に位置するタイ東北部における農業を対象として,低確率・高影響事象(極端現象)を対象とした天候インデックス保険の可能性を評価した。まず、コメ生産量予測モデルによる単収の再現を行った結果,Chiang Rai県では0.287 ton/year,相対誤差率は6.0%,Khon kaen県ではRMSEが0.351 ton/year,相対誤差率は9.8%,Suphan Buri県ではRMSEが0.221 ton/year,相対誤差率は6.4%という結果となり概ね実測収量を再現できた.またコメ生産量予測モデルによる収穫面積の再現を行った結果,Chiang Rai県では0.012,相対誤差率は3.4%,Khon kaen県ではRMSEが0.025,相対誤差率は7.6%,Suphan Buri県ではRMSEが0.014,相対誤差率は8.7%という結果となり概ね統計値を再現できた. 次に、将来気候における各県の被害額推計を行った結果,タイ全体の年平均被害額は現在,遠い未来でおよそ60億Baht,近い未来でおよそ78億Bahtとなり,近い未来では年平均被害額が現在と比べ27%増加する結果となった.近い未来と比較して遠い未来において年平均被害額が小さくなった要因として,各県の気温の年々変動が減少したことで,生産量の年々変動が減少し,結果として被害額が小さく見積もられたためと考えられる.地域ごとに年平均被害額を見ると,北部や東北部で大きく,これは生産量自体とその変動の双方が大きいことが影響していると考えられた. 農家世帯生計調査の結果から、農家世帯収入に占める被害額の割合は近年減少傾向であった。また、農家の生活が以前よりも豊かになっていることや、現地農家が独自のリスク分散手法を有していたことからも農家世帯生計に対する農業被害の影響は小さいと考えられ、このことが天候インデックス保険の普及を妨げる要因の一つとして考えられた。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)