2019 Fiscal Year Annual Research Report
従来の微生物培養法の特性解析と未培養微生物単離培養法の開発
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19H03086
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
青柳 秀紀 筑波大学, 生命環境系, 教授 (00251025)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 微生物培養法 / 寒天平板培地 / フラスコ振盪培養 / ダークマター微生物 / 未培養微生物 / 前処理 / 培養用シート / ナノ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、従来の微生物培養法では、自然界に存在する全微生物の1%程度しか培養できないことが明らかとなり、その限界が指摘されている。残された99%の未培養微生物(Dark matter 微生物)の開拓、利活用を目指し、網羅的な環境ゲノム解析が国内外で盛んに行われているが、塩基配列だけでは分からない未知の微生物機能の解明や実用的な利用をおこなう場合、実際に未培養微生物の培養化が非常に重要となる。そのため、従来の微生物培養法の問題点を排除した新たな培養法の開発が求められている。これまで国内外で種々の培養法が開発されてきたが、実用面などに問題があり一般的な普及には至っていない。この現状を踏まえ、従来の微生物培養法の特性を解析、把握することで得られる新たな知見をベースに、多様な未培養微生物を培養化できる基盤技術を開発することを目指し、下記、2点について研究をおこなった。 (1)微生物のフラスコ振盪培養中の気相や液相の挙動を解析できるシステムを構築し、種々の条件で間歇的な通気条件が集積される培養微生物群集に及ぼす影響を解析した。種々検討した結果、間歇的通気により生じるフラスコ環境の変化により培養化する微生物種が影響を受けることが明らかとなった。 (2)微生物培養に用いる環境試料の物理的あるいは化学的な前処理法を種々、開発、活用し、比較培養をおこなった結果、従来の寒天平板培養法とは異なる多様な未培養微生物を単離培養することができた。また、本培養法で得られた微生物の活用例として、ナノ粒子の生成などについても検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に従い、(1))微生物のフラスコ振盪培養中の気相と液相の挙動解析とその利用、(2)前処理法の開発と新規培養基材を用いた未培養微生物の単離培養、について研究を実施し、多様な未培養微生物の培養化につながる基礎的成果をあげることができた。研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
従来の微生物培養法の特性を解析、把握し、そこで得られた知見をベースに、多様な未培養微生物の培養化を目指し、下記2点の研究をおこなう。 (1)微生物のフラスコ振盪培養中の気相と液相の挙動解析とその利用:前年度に引き続き、間歇的通気条件が集積される培養微生物群集に及ぼす影響を詳細に解析し、間歇的通気条件で生じるフラスコ環境の変化と培養化する微生物種の関係性の有無を明らかにする。 (2)前処理法の開発と新規培養基材を用いた未培養微生物の単離培養: 前年度に引き続き、種々の前処理法を開発、活用し、従来と異なる微生物集団を形成させた後に、新規培養基材で未培養微生物の単離培養をおこなうとともに、本法の有効性評価をおこなう。
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Research Products
(17 results)