2020 Fiscal Year Annual Research Report
How devastated coniferous plantations negatively affect the environment and how this problem can be remedied?
| Project/Area Number |
19H03088
|
|---|
| Research Institution | Kyushu University |
|---|
Principal Investigator |
大槻 恭一 九州大学, 農学研究院, 教授 (80183763)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
| Keywords | 人工林 / 雨水配分 / 樹幹流 / 樹冠通過雨 / 災害 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
日本全国で観測され報告されている樹液流率と、様々な林分構造指標（立木密度、全胸高断面積、胸高直径（DBH）、樹高、樹冠被覆率、葉面積指数、平均胸高断面積、樹幹表面積）の関係を解析した。その結果、林分指標の中では、立木密度が樹幹流率の決定要因であり、立木密度の線形回帰式により、二乗平均平方根誤差（RMSE）2.4%で推定できることを明らかにした。立木密度は最も一般的な林分構造指標であり、本回帰式は樹幹流量推定に有用であるが、樹木の成長に伴い変化する樹幹流量を推定できない。そこで、林分樹幹流集水率を用いて解析した結果、①林分樹幹流集水率はDBHの累乗関数的に変化し、小直径の範囲ではDBHの増加に伴って急減するが、中直径～大直径の範囲における現象は微小であること、②この累乗関数的を用いれば、樹幹流率は立木密度とDBHの関数として推定でき、RMSEは2.0%で線形回帰式より精度が高く、立木密度だけでなくDBHも考慮できることから、森林管理による樹幹流量管理にはより有用であることを明らかにした。
2020年9月に立木密度2200本/haの高密度非管理ヒノキ人工林に6mx6mプロットを設置し、8本の樹幹流量観測および36か所の樹冠通過雨量・雨滴衝撃の観測を開始した。
2019年12月に、超高密度非管理ヒノキ人工林を探し出し、観測プロットを2プロット（3100本/haおよび3500本/ha）を設置し、雨水配分の観測を開始した。
さらに、2020年3月に、立木密度1000/haの間伐後ヒノキ人工林、2000本/haの高密度非管理ヒノキ人工林、3500本/haの高密度非管理ヒノキ人工林の3林分のそれぞれに10mx10mプロットを設置し、各プロットの12か所で樹冠通過雨量・雨滴衝撃の観測を開始した。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年9月，12月、2020年3月に、1000～3500本/haの様々な立木密度のヒノキ人工林に計5プロットの観測プロットを設置し、雨水配分および雨滴衝撃の観測を開始した。現在、データの回収中であり、まだデータを解析する段階に至っていない。
様々な立木密度の人工林における林床環境観測の観測は、雨水配分・雨滴衝撃の観測システム構築・整備に予想以上の時間を要したため、まだ開始できていない。
|
| Strategy for Future Research Activity |
2021年度に、放射等環境観測プロットを、現在観測中の立木密度1000～3500本/haのヒノキ人工林雨水配分等観測プロット近傍に3プロット、露場に1プロット設置し、林床の放射等環境観測を開始する予定である。
|
