2021 Fiscal Year Annual Research Report
Staging-based regenerative therapy for spinal cord injury in dogs
Project/Area Number |
19H03123
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西村 亮平 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80172708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 直己 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (10554488)
西田 英高 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 研究員 (00622804)
伊藤 大介 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (40508694)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 犬 / 脊髄再生医療 / 骨髄脂肪細胞周囲細胞 / 静脈投与 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究で、他家骨髄脂肪細胞周囲細胞(BM-PACs)はホストからの免疫を受け、治療効果が減弱する可能性が明らかになったため、免疫抑制剤の使用により他家BM-PACsの生存能を向上しうるかを検討した。健常ビーグル犬で皮膚損傷モデルを作製し、自己BM-PACs、他家BM-PACsおよび他家BM-PACsと免疫抑制剤(シクロスポリン)を投与した。いずれにおいても損傷部へ細胞が遊走したが、他家BM-PACsは投与後1週間でほぼ全ての細胞がマクロファージに貪食されていた一方で、免疫抑制剤の使用により自己細胞と同等のレベルまでBM-PACsの生存が回復し、他家BM-PACsを用いた細胞治療では免疫抑制剤の使用により治療効果が得られることが期待できた。 一方、これまで、自己BM-PACsを用いた細胞治療の有効性・安全性が示されたことから、犬の脊髄損傷に対する自己BM-PACs静脈投与の臨床試験を行なった。症例は3歳齢のチワワで、脊髄梗塞により胸腰部脊髄で広範囲の障害を来しており、発症後2ヶ月歩行機能の改善がみられなかった。既報に基づき、BM-PACsを培養したところ、1週間で投与予定細胞数(100万細胞/kg)を回収することが可能であった。細胞投与後の有害事象はなく、投与1ヶ月後には後肢脊髄反射の回復が認められ、投与2ヶ月後から歩行機能の回復が認められた。投与後継時的に胸腰部MRIを撮影した結果、画像上では有意な改善は認められなかったものの、投与細胞の塞栓や腫瘤形成などの有害事象も認められず、犬の脊髄損傷に対する自己BM-PACs静脈内投与の安全性を確認し、有効性も期待できた。今後、椎間板ヘルニア以外にも脊髄梗塞などの虚血性脊髄疾患も対象とし、症例数を増やして安全性と有効性をさらに検証する予定である。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)