2020 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of peripheral infection kinetics of rabies virus by a high-sensitive infection detection system
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19H03127
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
伊藤 直人 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (20334922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沢 匡毅 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10344029)
酒井 洋樹 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (40283288)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 狂犬病ウイルス / 標的細胞 / 末梢感染 / 潜伏期 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、Creリコンビナーゼを発現する複製欠損型および複製型狂犬病ウイルスを、Cre-loxP組換え反応依存的に赤色蛍光蛋白質(tdTomato)を発現する遺伝子改変マウス(Ai9マウス)に皮下接種することで、高感度に新規のウイルス標的細胞を検出・同定し、さらには同細胞から神経系への感染経路を明らかにすることを目的としている。
2020年度は、Creリコンビナーゼの発現能を高めた複製欠損型ウイルスの作出を試みた。ウイルスのG遺伝子をCre遺伝子と置換することで作出された従来の複製欠損型ウイルスについては、以前、機能的なCreリコンビナーゼを発現することが確認された一方で、ウエスタン・ブロット(WB)法による解析により、その発現量が極めて低いことが明らかとなっていた。このことが皮下組織における標的細胞の検出効率に影響を及ぼしている可能性が高いと考え、従来の複製欠損型ウイルスのN-P遺伝子間領域に1コピーのCre遺伝子を追加した改良型ウイルスを作出した。すなわち、改良型ウイルスは、計2コピーのCre遺伝子を保有する。WB法による解析により、改良型複製欠損型ウイルスのCre発現量が従来のウイルスよりも著しく向上したことが確認された。一方で、G蛋白質を人工的に供給した条件で、改良型ウイルスの最大感染価を検討したところ、従来型ウイルスの感染価に比べて1/10程度であることが明らかとなった。 一方、皮下組織から神経系への感染経路を明らかにする目的で、Creリコンビナーゼを発現する複製型狂犬病ウイルスをAi9マウスに皮下接種した。同マウスの脳においてtdTomatoの発現が確認されたため、今後は、末梢組織における感染経路の解明を実施していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度の初頭は、新型コロナウイルスの流行の影響により、大学における研究活動に支障があった。また、現時点において、皮下組織における標的細胞の検出感度が、その同定を行うことができるレベルに達していない。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に作出に成功した、Creリコンビナーゼの発現量が向上した改良型複製欠損ウイルスを用いて、皮下組織中の標的細胞の検出を実施する。また、皮下組織だけでなく表皮にも標的細胞が存在する可能性について検証する予定である。
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