2020 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of new gene modified moue production system
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19H03142
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
水野 聖哉 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10633141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤山 知之 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 助教 (00635089)
久野 朗広 筑波大学, 医学医療系, 助教 (60830122)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ゲノム編集 / Long Read Sequence / Creマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では以下の3つの研究課題に取り組んでいる。以下に令和2年度における各研究の実績を記載する。 1)ゲノム編集遺伝子変異の網羅的解析法の確立: マウス受精卵でのゲノム編集ではデザインとは異なる予想外の様々な変異も誘導される。この予想外な変異には、数塩基対の置換・挿入・欠損のみならず、数千塩基対単位の欠損や逆位も含まれる。また、同一鎖上の離れた位置に2箇所以上の変異が導入されることもある。本研究ではこれらの変異を網羅的に検出可能なシステムの開発に成功した。 2) 新規Creノックインマウスの作製: マウス受精卵ゲノム編集を用いて高い組織・時期特異性をもつCreマウスの作製を実施している。現在までに6つのCreマウスを樹立しており、その組換え能力についての確認も完了した。その中でも高い組織特異性を示す二つのCreノックインマウスについては学術誌への掲載も完了しており、更にもう一系統についても優れた組換え能を確認済みで、現在論文を作成中である。 3) 標的遺伝子座への高頻度変異マウス作出法の確立: 昨年度に引き続き、標的遺伝子座に高頻度に変異を生じさせる能力をもつゲノム編集マウスを作製している。全身でゲノム編集エフェクターを発現しても問題のないことや、標的とする組織のみでエフェクターの発現させることが可能であることを確認している。加えて、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターの投与にて、デザイン通りの変異や予想外の変異を起こすことに成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
3つの研究課題のうち、(1)と(2)の研究課題については当初の目的を完了している。特に(2)の課題では2報の学術雑誌に公開されおり、2021年度中に更に1報を加えるためのデータ取得も完了している。 (1) の課題については予測が難しい変異を正確に捉えることのできるLong Read Sequenceデータ解析ソフトウェアの開発に成功した。この解析ソフトウェアは一匹のモザイクファウンダーマウスに含まれるほぼすべての変異アレルを特定することが可能であり、その正確性は従来の次世代シーケンサーも凌駕していた。加えて、100検体弱のサンプルの並列解析も可能であり、既に実戦で使用できることも複数の遺伝子座で確認している。この研究成果はpreprintとして公開済みであり、2021年度内での学術雑誌への掲載は十分に可能である。 (3)の研究課題についても複数のゲノム編集エフェクターマウスをすでに確立している。更に、複数のsgRNAをin vivoで機能させる新規の方法も確立できた。また、(2)の成果を応用することで多様な変異を誘導した複数の異なるアレルを検出する環境も整備済みである。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)と(2)の研究課題に関しては既に十分な研究成果が得られており、学術誌への掲載を目指す。(3)の研究課題では、その実施に欠かせないゲノム編集エフェクターマウスと複数sgRNAのin vivo導入技術と多様な変異アレルの検出システムが確立済みである。2021年度はこれらを有機的に組み合わせることで、標的遺伝子座への半ランダムな変異導入系の確立に取り組む。
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Research Products
(3 results)