2020 Fiscal Year Annual Research Report
顕微注入を伴わないin situゲノム編集技術による遺伝子改変個体の簡便な作成
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19H03152
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
中村 伸吾 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 防衛医学研究センター 医療工学研究部門, 講師 (00505323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 正宏 鹿児島大学, 総合科学域総合研究学系, 教授 (30287099)
大塚 正人 東海大学, 医学部, 教授 (90372945)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 経胎盤的遺伝子導入(TPGD) / ゲノム編集 / 遺伝子改変マウス / 発生工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゲノム編集技術の一つであるCRISPR/Cas9システム (CRISPR系) は簡便なシステムであり、研究者にとってはゲノム改変実験が簡単に行えるというメリットがある。このCRISPR系の登場は発生工学分野においても新たな流れを作り出しており、これを用いた動物個体の遺伝子ノックアウト (KO)、ノックイン (KI) 実験が盛んに行われている。その主流は、CRISPR系の成分を受精卵へ導入する方法であり、多くの場合、ex vivo方式での受精卵操作が必要となる。本研究では、この様なex vivo方式での操作を全て回避し、遺伝子改変個体(マウス)を簡便に作り出すための新技術について検討をする。具体的には、我々が先駆的に開発してきた幾つかのin vivoにおける遺伝子導入法 [例えば、胎仔への母体静脈を介した胎盤経由遺伝子導入法; transplacental gene delivery technique(TPGD)] をCRISPR系によるゲノム編集へ適用できるかどうかを検討する。そしてこれらの方法を使用して、遺伝子改変個体(マウス)を作成するための簡便、経済的、汎用性の高い方法を確立することを目指す。 本年度は、昨年度に引き続いてTPGD-GEF(TPGD for acquiring genome-edited fetuses)におけるマウス内在性ゲノムの編集に関する詳細解析、その効率向上を目指す検討を中心に実験を進めた。その結果、ハイドロダイナミクス専用のin vivo遺伝子導入試薬を使用することで効率の上がる傾向が観られたものの、統計的な有意差は得られなかった。また、Cas9タンパク質とガイドRNAで構成される複合体の利用に関する基礎検討を行ったが、その効果は限定的であった。より小さなCas9タンパク質の使用等を検討する必要があると思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請書に記載した研究計画に沿って研究を進めているものの、コロナ禍に伴う緊急事態宣言時を中心に動物飼育施設への実験動物の入荷が全面停止したため、やや遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従って予定通りに令和3年度の研究を継続すると共に、主として、電気穿孔法以外の手法を活用した実験を精力的に進める。
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Research Products
(7 results)