2021 Fiscal Year Annual Research Report
核内微小環境の形成を介した転写動態制御の統合的解明
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19H03154
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
深谷 雄志 東京大学, 定量生命科学研究所, 准教授 (00786163)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エンハンサー / 転写因子 / 転写バースト |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度作製した、MS2レポーター遺伝子のプロモーター領域近傍にUAS配列を配置したDNAを持つショウジョウバエ系統と、GAL4-VP16を初期胚で発現する系統をの掛け合わせによって得られたショウジョウバエ初期胚を超解像顕微鏡によって解析した。その結果、GAL4-VP16が転写バースト誘導時において、特異的にエンハンサー上に集合体を形成することが明らかとなった。詳細な定量画像解析の結果、生み出される転写バーストの強度と、GAL4-VP16の局所濃度には強い正の相関関係が存在することが示された。このことから、動的なGAL4-VP16の局所濃度変化によって転写バーストが制御されているという新たなモデルが提唱された。 次に、single-molecule FISHと免疫染色を組み合わせて、内在の転写因子の局在様式にについて解析を行った。本研究ではBicoidと呼ばれるホメオドメイン型の転写因子に着目して解析をこなった。Bicoidの標的遺伝子であるhunchback遺伝子座におけるBicoidを可視化したところ、レポーターの解析系と同様に局所的な濃縮が観察された。次にゲノム編集により内在のBicoidのC末端領域にグルタミンの連続する天然変性領域を付与したところ、hunchback遺伝子座におけるBicoidの異常凝集が観察された。この時、hunchback遺伝子の転写活性をライブイメージングによって解析すると、転写バースト活性が異常亢進していることが明らかとなった。体節構造や孵化効率を解析したところ、天然変性領域の付与により顕著な発生不全が認められた。このことから、転写因子の持つ天然変性領域はある一定の適切な長さになるよう、進化的・機能的に制御されてきた可能性が示唆される。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)