2019 Fiscal Year Annual Research Report
Examination of substrate specificity in the regulated intramembrane proteolysis
Project/Area Number |
19H03170
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
禾 晃和 横浜市立大学, 生命医科学研究科, 准教授 (40379102)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 憲治 筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 教授 (20342751)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 立体構造解析 / X線結晶構造解析 / 電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的の膜タンパク質に対して抗体断片を結合させる条件を検討した。本研究では、2つのアプローチで抗体断片の結合を試みており、1つ目は目的タンパク質を認識するモノクローナル抗体を取得するアプローチであり、もう一つは目的タンパク質のループ領域に外来のエピトープを挿入し、これを認識する既存の抗体を結合させるアプローチである。 前者に関しては、目的タンパク質の可溶性断片を免疫して得られた抗体数種類について、ELISA法、表面プラズモン共鳴法などさまざまな手法で結合親和性や特異性を比較し、複合体形成に適していると考えられるものを選抜した。それぞれの抗体の相互作用様式を詳細に検討するため、抗原となるドメインを部分断片として発現させ、抗体のFabと共結晶化し、X線結晶構造を決定した。モデリングにはそれぞれの抗体の一次構造も必要とされるため、ハイブリドーマからmRNAを抽出し、逆転写PCRでcDNAを取得し、塩基配列を決定した。 後者に関しては、先行研究で開始していたエピトープの挿入方法の最適化に取り組み、標的タンパク質の構造をネイティブに近い状態に保ったままで抗体を結合させられる条件を検討した。 これら2つのアプローチで得られた抗体断片との複合体についてネガティブ染色した試料を用いて単粒子解析を試みた。 また、基質との複合体形成に向けた条件検討も開始し、様々な部分断片を発現させることで、複合体形成に適したコンストラクトの探索を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抗体断片複合体試料を作成できる可能性が示され、標的膜タンパク質のクライオ電子顕微鏡解析に向けた研究基盤の構築が進展したと言える。また、基質の探索等も開始できており、概ね順調に進展していると言って良いと考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は試料の凍結条件を探索し、クライオ電子顕微鏡での測定に適したグリッドを作製していく必要がある。ネガティブ染色試料とクライオ電子顕微鏡測定での氷包埋試料の作製では、グリッドに添加するサンプルの濃度や溶液組成などの条件が全く異なり、ネガティブ染色では観察できた試料がクライオ電子顕微鏡では上手く観察できない場合も多い。そこで、タンパク質濃度や界面活性剤の種類や濃度、添加剤など、様々な条件検討を進めていくことを計画している。
|