2020 Fiscal Year Annual Research Report
Examination of substrate specificity in the regulated intramembrane proteolysis
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19H03170
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
禾 晃和 横浜市立大学, 生命医科学研究科, 准教授 (40379102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 憲治 筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 教授 (20342751)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 立体構造解析 / X線結晶解析 / 電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究では、標的タンパク質に外来のエピトープを挿入し、これを認識する抗体で標識する、抗体ラベリング法の検討で進展が見られた。先行研究において、PAタグと呼ばれる12残基からなるエピトープを好熱菌由来のRsePホモログのPDZタンデム断片に挿入し、PAタグを認識するNZ-1抗体のFab断片を結合させる実験に取り組み、実際に結晶化可能なほど安定な複合体が形成されることを示していた。しかしながら、このPAタグを用いたラベリング法では、NZ-1抗体が結合する際に、PDZタンデムを構成するPDZドメインのフォールディングが壊れてしまう問題が起きていた。そこで、PAタグのN末端側に2残基アミノ酸を付加したPA14タグを代わりに挿入し、NZ-1抗体でラベリングすることを試みたところ、PDZドメインのフォールディングがほぼ保持された状態でNZ-1抗体を結合させられることが分かった。本年度の研究では、さらにこの抗体ラベリング法を全長の好熱菌由来RsePホモログにも適用し、Fab断片との複合体の負染色電子顕微鏡単粒子解析を行い、好熱菌由来RsePの3次元モデルを構築することにも成功した。そして、この3次元モデルから、PDZドメインの全長タンパク質の中での空間配置を正確に推定することができた。 また、複合体試料の調製に向けて、基質コンストラクトの設計にも取り組んだ。基質断片が不安定であったことから、安定化のためにタグ配列を融合することとした。タグ配列の種類や融合させる部位の検討を進めることで、RsePと共に安定に発現するコンストラクトを探索した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
好熱菌由来RsePについては、構造が保持された状態で抗体との複合体を作製することが可能になり、今後のX線結晶解析や電子顕微鏡による高分解能解析に向けて、試料が順調に準備できていることから。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究から、標的タンパク質の構造を壊さず、抗体で標識することが可能な技術が確立できたが、現状の標的と抗体の複合体では、二者の配向の揺らぎが完全には抑えられていない。そこで、挿入方法のさらなる最適化を行って、より揺らぎが抑えられた複合体を作製していくことを計画している。また、クライオ電子顕微鏡による測定に向けて、グリッド内で標的粒子が均一に分散状態した状態の試料が得られるよう、精製条件の検討を進めていく。
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