2021 Fiscal Year Annual Research Report
多彩なRabエフェクター分子群によるポストゴルジ輸送経路制御機構の包括的解析
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19H03181
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉村 信一郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (60584521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩野 智彦 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (10442930)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 一次繊毛 / Rab / ゴルジ体 / エンドソーム / リソソーム / 細胞膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度からの継続で、我々が新たに同定したRab結合タンパク質の機能解析を行った。今年度は特にRab8ファミリータンパク質とそれらの結合タンパク質と一次繊毛との関係に関して進展が見られた。 Rab8ファミリーに結合することが知られていたEHBP1L1タンパク質は、その特異的抗体の染色により一次繊毛周辺に局在することを発見した。超解像度顕微鏡による詳細な解析により、EHBP1L1は一次繊毛形成初期段階に出現するpreciliary vesicle (PV)に一時的に局在することを明らかにした。さらにEHBP1L1の結合タンパク質として新たにCD2APタンパク質とそのファミリー分子であるCIN85を同定し、CD2AP/CIN85がEHBP1L1依存的にPVに局在することを明らかにした。 またEHBP1L1とCD2AP/CIN85の発現量をそれぞれの特異的なsiRNAの導入により抑制すると、繊毛長が伸展することを我々は確認した。CD2AP/CIN85はアクチンネットワークを制御するアダプタータンパク質として知られている。そこで一次繊毛形成初期段階においてPVや基底小体周辺におけるアクチンネットワークを調べたところ、基底小体周辺でのArp2の存在量がEHBP1L1やCD2AP/CIN85のsiRNAにより低下していた。これらのことよりEHBP1L1とCD2APは一次繊毛形成を負に調節する因子であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度からのコロナウイルス蔓延による、学内外の行動制限の影響で研究の遂行に若干の支障が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は他の同定済のRab結合タンパク質の解析をより迅速に行い、数報の論文として報告する所存である。
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