2020 Fiscal Year Annual Research Report
Global study of haploinsufficient genes in Saccharomyces cerevisiae
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19H03205
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大矢 禎一 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (20183767)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ハプロ不全性 / 出芽酵母 / 細胞形態 / シャペロニンCCT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的のひとつは、出芽酵母の必須遺伝子でハプロ不全性が生じる分子メカニズムを解明することである。ハプロ不全性が生じる要因として、バランス仮説と不十分量仮説の二つが提案されている。バランス仮説が正しいのであれば、遺伝子の発現レベルを増加させても減少させても同じ複合体の機能が欠損するので同じ形態表現型が現れるはずである。一方、不十分量仮説が正しいとすると、発現レベルを増加させた時には形態変化が起きないはずである。ハプロ不全性を示す遺伝子でどちらの仮説が当てはまるのかを、個々の遺伝子の発現レベルを上昇させた時の形態表現型を調べて比較することによって網羅的に調べていくことを計画した。前年度はシャペロニンCCT複合体のサブユニットをコードするCCT2という一つの遺伝子に着目して研究を行ったが、今年度は全8遺伝子(TCT1, CCT2-CCT8)を用いて、高発現させた時に、果たして発現量を減らした時と同じ表現型を示すのかを形態的観点から調べた。遺伝子の高発現のためには、副作用が少なくてbeta-estradiol量依存的に発現誘導できるシステム(McIsaac et al., 2014)を用いた。beta-estradiolを加えていない条件では、すべてのヘテロ二倍体は類似した形態異常を示した。beta-estradiolを1 nM加えて野生型二倍体とほぼ同様の発現量にしたところ、野生型二倍体と同じ形態を示し、100 nMまで増やして過剰発言しても顕著な形態変化は認められなかった。以上の結果から、シャペロニンCCT複合体のサブユニットの場合には、発現レベルを増加させた時には形態変化が起きないことが明らかになり、不十分量仮説が正しいことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ハプロ不全性を示す遺伝子でバランス仮説と不十分量仮説のどちらの仮説が当てはまるのかを、beta-estradiol量依存的に発現誘導できるシステムを使い、シャペロニンCCT複合体のサブユニットをコードする全8遺伝子(TCT1, CCT2-CCT8)を用いて、個々の遺伝子の発現レベルを上昇させた時の形態表現型が明らかになったため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的は、①出芽酵母の必須遺伝子でハプロ不全性が生じる分子メカニズムの解明、②異なる状況下でハプロ不全性が現れるメカニズムの解明、である。①では、出芽酵母の個々の必須遺伝子がハプロ不全性を示すのは、バランス仮説と不十分量仮説のどちらに当てはまるのかを実験的に検証する。②では、様々な環境下やストレスに晒して表現型を調べることにより、ハプロ不全性が起きやすい条件と起きにくい条件を明らかにする。前年度、①について行った研究を研究発表すると共に、②についても研究をスタートする予定である。
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[Journal Article] Cite Share Sequentially addressable dielectrophoretic array for high-throughput sorting of large-volume biological compartments.2020
Author(s)
Isozaki A, Nakagawa Y, Loo MH, Shibata Y, Tanaka N, Setyaningrum DL, Park JW, Shirasaki Y, Mikami H, Huang D, Tsoi H, Riche CT, Ota T, Miwa H, Kanda Y, Ito T, Yamada K, Iwata O, Suzuki K, Ohnuki S, Ohya Y, Kato Y, Hasunuma T, Matsusaka S, Yamagishi M, Yazawa M, Uemura S, Nagasawa K,
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Journal Title
Science Advances
Volume: 6
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Callose Synthesis Suppresses Cell Death Induced by Low-Calcium Conditions in Leaves.2020
Author(s)
Shikanai Y, Yoshida R, Hirano T, Enomoto Y, Li B, Asada M, Yamagami M, Yamaguchi K, Shigenobu S, Tabata R, Sawa S, Okada H, Ohya Y, Kamiya T, Fujiwara T.
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Journal Title
Plant Physiology
Volume: 182
Pages: 2199-2212
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research