2020 Fiscal Year Annual Research Report
Somatic genome analysis of ANCA-associated vasculitis
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19H03209
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鎌谷 洋一郎 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (00720880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大村 浩一郎 京都大学, 医学研究科, 特命准教授 (40432372)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | RNAシークエンス / 全ゲノムシークエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は新たにANCA関連血管炎の26症例の研究参加を得た。それら全例について全ゲノムシークエンス実験を行い、マッピングを行なったところ、マッピング率は99.8±0.04%、平均深度は15.7±2.6xであり、昨年同様目標値(15x)を達成した。昨年全ゲノムシークエンスを行った22症例と併せ、GATK Best Practiceに基づくバリアントコール、クオリティコントロールを実施した。また、HLA-HDアルゴリズムにより、昨年のデータと併せて48名についてHLA 6遺伝子アレルを取得した。
ソーティングによりターゲットを絞った細胞集団の解析については、まずは実験条件の検討を行なった。HEK293T細胞にMPO、およびHLA-DRのプラスミドをTransfectionさせ、FACSによる解析を行い、抗体が機能していることを確認した。また、CD19についても健常人の末梢血を用いて抗体が機能していることを同様にFACSで確認した。 また、2名の患者において治療前の末梢血から、Dextran-Ficoll法で好中球を、BD Vacutainerを用いてPBMCを分離し、さらにセルソーターMelodyを用いて好中球からMPO(+), HLA-DR(+)細胞を、PBMCからMPO-ANCA(+), CD19(+)細胞をソーティングした。体細胞変異の解析のターゲットとする領域を絞るため、分離したPBMCからAGPC法でRNAを分離し、NovaSeq6000を用いたRNAシークエンスを行った。結果、2.5×107 (±4.3×106)のリード数が得られ、STARによるマッピングを行い、84.1 (±7.9)%のマッピング率を得た。このRNA-Seqデータと、サンプルに対応したGermlineの配列データから、確度の高い体細胞変異の情報をRNA-Mutectアルゴリズムを参考に策定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初に予定した通り、初年度に目標としていた全血のシークエンス実験を順調に進めることができた。また、ターゲットとする細胞集団を絞るためのソーティング実験も予定通り進めている。
解析パイプラインについては、生成されるデータに対して遅れることなく策定ができており、実行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、これまでに得た48例の全ゲノムシークエンスデータのデータ解析を行う。 また、実際の体細胞変異の同定に向けて、ソーティング実験、並びに体細胞変異同定のためのシークエンス実験を継続する。同時に体細胞変異を測定するためのパイプライン策定も引き続き行う。
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