2021 Fiscal Year Annual Research Report
Somatic genome analysis of ANCA-associated vasculitis
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19H03209
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鎌谷 洋一郎 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (00720880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森信 暁雄 京都大学, 医学研究科, 教授 (10294216)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | RNAシークエンス / 全ゲノムシークエンス / 体細胞変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は14症例のANCA関連血管炎、2症例の他血管炎、3症例の他自己免疫疾患の疾患活動期における末梢血を採取し、全血、PBMC、もしくは好中球からRNAを抽出し、計23検体についてNovaSeq6000を用いたRNAシークエンスを行った。またそれらの症例の全血DNAの全ゲノムシークエンス実験も行った。得られた結果を用いてRNA-Mutectアルゴリズムにより体細胞変異の探索を行った。23検体において、同定された体細胞変異の数と各遺伝子の発現量の相関解析を行ったところ、相関のある遺伝子は白血球の増殖に関わるシグナルに偏っていることが分かった ( P = 0.001 )。一方で、異なる症例において共通して観察される変異に着目したところ、転写因子として機能する二遺伝子上のミスセンス変異を同定した 。以上より、疾患活動期のANCA関連血管炎においては体細胞変異が多く観察されること、そしてアミノ酸配列を変え病的意義のある変異が症例間で共通して存在する可能性が示唆された。
また今年度新たに研究参画を得た45症例のANCA関連血管炎症例について全血からNovaSeq6000を用いたPCRフリーの全ゲノムシークエンス実験を行った。昨年全ゲノムシークエンスを行った48症例と併せ、GATK Best Practiceに基づくバリアントコール、およびクオリティコントロールを実施した。そのうちタンパク質の機能に与える影響が大きいVariantをLOFTEEアルゴリズムにより検出し観察を行っている。また、次世代シーケンサーのショートリードデータからHLAアレルをタイピングできるHLA-HDアルゴリズムにより、昨年度までのデータと併せて計93名についてHLA 6遺伝子のアレルを取得し、ANCA関連血管炎患者群における疾患感受性アレルを観察している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初に予定した通り、シークエンス実験や解析アルゴリズムの策定を順調に進め、体細胞変異の検出に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、疾患が安定した時点での患者や、健常人について同様のパイプラインで体細胞変異の検出を行い、同定した体細胞変異の病的意義をさらに追求する予定としている。
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