2019 Fiscal Year Annual Research Report
静止期Bリンパ球の迅速的活性化の基盤となるエンハンサーアイランド形成機序の解明
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19H03210
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
二村 圭祐 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (00462713)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 分子間相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
B細胞は静止期状態でエンハンサー領域の基盤を形成しておくことで、急速な活性化に対応できるように準備し、かつ、静止期状態には遺伝子発現を抑制するためにエンハンサー領域を凝集させエンハンサーアイランドを形成するという仮説をこれまでに得られた予備的な結果からたてている。しかし、このようなエンハンサーアイランドは非常に多くのタンパク質やRNAから形成されていると考えられ、この多因子間で形成される複雑な相互作用を定量的に計測することは現在の技術では困難である。令和元年から2年度において、まずB細胞の活性化条件を検討した。具体的には4-6週齢のC57BL/6メスマウスから脾臓を摘出し、B細胞をB cell isolation kitで回収した。活性化にはLPS、IL4、2メルカプトエタノールを含む培養液を用いて行った。B細胞の活性化は顕微鏡を用いた形態の観察と、ヒストンH3のK27アセチル化抗体によるウエスタンブロット法により評価した。クロマチンの免疫沈降法の条件を検討し、MNaseや超音波によってクロマチンを適切に切断する条件を決定した。これらの検討を行う中で、DNAバーコードを付加した抗体を用いて多因子間で形成される複雑な相互作用を定量的に計測する手法を発想した。そこで、この多因子間相互作用を定量的に測るための次世代シークエンシングを用いた新規な多因子間相互作用解析法を確立することを目指し研究を進めている。本法を確立し、エンハンサーアイランドにおけるヒストンやRNAポリメラーゼIIなどの相互作用を解析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究の中から、エンハンサーアイランドを定量的に計測する新規手法を発想し、その新規手法の確立を進めている。この方法は、少数細胞によって因子間相互作用を解析できる方法である。この方法を用いることで、言わば細胞内生化学解析を行えるようになり、これまでの研究手法では解析が極めて困難なタンパク質間相互作用の定量的な解析法となると考えられる。この手法の解析のために、LPSとその受容体間の相互作用をモデルとし、検出を試みた。それぞれに対する抗体が使用できることを免疫染色によって確認した。これらの抗体にDNAバーコードを付加した。このDNAバーコードをin situ PCRによって連結可能であり、本法によってLPSとその受容体の結合を検出するためのシークエンシングライブラリーが作製できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度においては、この多因子間相互作用解析法を用いて再現性を確認し、本法を確立するために研究を行う。また、現在は脾臓から単離したB細胞を用いて解析に使用しているが、生体組織においても多因子間相互作用が解析できることを示す。そのために、LPSを静脈内投与し、時間経過とともに脾臓を回収し、本法によって、LPSとその受容体との相互作用が検出できるか検証する。この実験によって、本法が細胞のみでなく組織においても多因子間相互作用が検出できることを実証する。組織においても本法によって多因子間相互作用を解析することができれば、これまでにない新規な方法として確立でき、非常に広範囲な生命科学の研究分野で利用可能になると考える。
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Research Products
(3 results)