2019 Fiscal Year Annual Research Report
精子特異的ヒストンバリアントH3T/tを起点としたクロマチンダイナミクスの解明
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19H03211
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
原田 哲仁 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (60596823)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | クロマチン / ヒストン置換 / H3t / 精子形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
精子形成過程では、「次世代へ伝播される遺伝情報」を形成するためクロマチン構造の再構成が起こる。この過程で起こる精子形成固有の現象が、体細胞型のヒストンから精巣特異的ヒストンへの置換である。我々はこれまでに、ゲノム上の未知のヒストンバリアントを同定し、その機能解析を行ってきた。これまでに、精子細胞には複数の機能未知のヒストンが発現しており、そのうちヒストンH3tは精子形成の最初期に必須であることを報告した。さらに、機能未解明の精子細胞特異的ヒストンは複数存在する。つまり、精子形成過程ではH3tを起点に従来の知見を超えた多彩且つ複雑なヒストン置換が起こっている可能性が高い。一方で、その全貌は未だ明らかでない。そこで、本研究では、体細胞型ヒストンから精子特異的ヒストンバリアントH3tへの置換を起点として、精子形成過程でのクロマチン構造変換とその制御機構の解明を目指している。本年度は、精子形成過程におけるH3tの取り込み位置の挙動変化をChIL-seqにより評価を試みた。マウス精巣を酵素消化により細胞に単離し、cell sorterを用いて精子形成の各分化段階の細胞を分画した(Gaysinskaya et al., Cytometry, 2014)。次に、well plateに分取した後、ChIL-seqによりH3tのゲノム上での取り込み位置を解析した。これまでに、精子分化段階のH3tは、特定の細胞集団で、特に広範囲に取り込まれていることが明らかとなった。今後、さらに複数の細胞を解析することでH3tのゲノム上への取り込み位置を詳細に解析していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定のChIL-Seqを進めておりおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
さらにChIL-Seqを進めてH3tのゲノムへの取り込み位置の同定を目指す
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Sustained expression of HeyL is critical for the proliferation of muscle stem cells in overloaded muscle.2019
Author(s)
Fukuda S, Kaneshige A, Kaji T, Noguchi YT, Takemoto Y, Zhang L, Tsujikawa K, Kokubo H, Uezumi A, Maehara K, Harada A, Ohkawa Y, Fukada SI.
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Journal Title
Elife
Volume: 8
Pages: pii: e48284
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] ヒストンH3バリアントの選択的取り込みによる組織特異的な遺伝子発現制御2019
Author(s)
原田 哲仁, 小松 哲郎, 前原 一満, 近藤 友佳理, 田中 かおり, 桑門 温子, 佐藤 優子, 木村 宏, 林 克彦, 小野 悠介, 竹本 龍也, 胡桃坂 仁志, 大川 恭行
Organizer
第47回日本分子生物学会年会
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