2020 Fiscal Year Annual Research Report
精子特異的ヒストンバリアントH3T/tを起点としたクロマチンダイナミクスの解明
Project/Area Number |
19H03211
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
原田 哲仁 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (60596823)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | クロマチン / ヒストン置換 / H3t / 精子形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
精子形成過程では、「次世代へ伝播される遺伝情報」を形成するためクロマチン構造の再構成が起こる。この過程で起こる精子形成固有の現象が、体細胞型のヒストンから精巣特異的ヒストンへの置換である。研究代表者はこれまでに、ゲノム上の未知のヒストンバリアントを同定し、その機能解析を行ってきた。これまでに、精子細胞には複数の機能未知のヒストンが発現しており、そのうちヒストンH3tは精子形成の最初期に必須であることを報告した。さらに、機能未解明の精子細胞特異的ヒストンは複数存在する。つまり、精子形成過程ではH3tを起点に従来の知見を超えた多彩且つ複雑なヒストン置換が起こっている可能性が高い。一方で、その全貌は未だ明らかでない。そこで、本研究では、体細胞型ヒストンから精子特異的ヒストンバリアントH3tへの置換を起点として、精子形成過程でのクロマチン構造変換とその制御機構の解明を目指している。本年度は、精子形成過程におけるH3tと関連があると考えられるヒストン修飾に対するChIL-seqを行うための方法論の確立を目指した。特に単一細胞解析を念頭においたプロトコルの開発を進め、H3K4me3, H3K27ac, H3K9me3, H3K27me3, H3K36me3, H3K4me1の1細胞ChIL-seqに可視化に成功した。これまでの報告通りに、エンハンサーマーカーであるH3K27acとH3K4me1のゲノム領域の相関性が確認できた。また、関連するChIL法の詳細なプロトコルを発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定に沿って、データ取得を進めており当初の計画通りに進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従って進めていく。
|
Research Products
(8 results)
-
-
[Journal Article] Subnuclear gene positioning through lamina association affects copper tolerance.2020
Author(s)
Yuki Sakamoto, Mayuko Sato, Yoshikatsu Sato, Akihito Harada, Takamasa Suzuki, Chieko Goto, Kentaro Tamura, Kiminori Toyooka, Hiroshi Kimura, Yasuyuki Ohkawa, Ikuko Hara-Nishimura, Shingo Takagi, Sachihiro Matsunaga.
-
Journal Title
Nat Commun.
Volume: 11
Pages: 5914
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
[Journal Article] Genome-wide kinetic properties of transcriptional bursting in mouse embryonic stem cells.2020
Author(s)
Hiroshi Ochiai, Tetsutaro Hayashi, Mana Umeda, Mika Yoshimura, Akihito Harada, Yukiko Shimizu, Kenta Nakano, Noriko Saitoh, Zhe Liu, Takashi Yamamoto, Tadashi Okamura, Yasuyuki Ohkawa, Hiroshi Kimura, Itoshi Nikaido.
-
Journal Title
Sci Adv.
Volume: 6
Pages: eaaz6699
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-