2021 Fiscal Year Annual Research Report
栄養レベルに応答して寿命を調節する細胞内情報ネットワークの研究
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19H03224
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
塩崎 一裕 奈良先端科学技術大学院大学, 事務局, 学長 (00610015)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | mTORC1 / 分裂酵母 / リン酸化 |
Outline of Annual Research Achievements |
哺乳類mTORC1の主な基質には、TOR Signaling (TOS)モチーフと呼ばれる短いアミノ酸配列があり、mTORC1の制御サブユニットRAPTORがこれに結合することで、特異的な基質認識が行われている。しかしながら、酵母など下等真核生物では、TOSモチーフの存在は知られていなかった。われわれは、分裂酵母mTORC1の基質であるPsk1キナーゼのアミノ末端領域に、哺乳類のTOSモチーフに類似の配列を同定し、この配列が分裂酵母のRAPTOR相同因子であるMip1との相互作用、およびmTORC1によるPsk1のリン酸化に必須であることを示した。 高等生物RAPTORとTOSモチーフの共結晶の構造解析によって、TOSモチーフの認識に関わるRAPTOR中の残基が報告されているが、これに相当する残基を分裂酵母Mip1で変異させたところ (mip1-Y533A)、TOSモチーフを認識できなくなり、mTORC1によるPsk1のリン酸化が損なわれた。したがって、TOSモチーフを介したmTORC1の基質認識機構は、酵母から哺乳類に至る真核生物で保存されていることが示唆された。 mTORC1は、広く真核生物においてオートファジーを制御しており、Atg13はこの制御機構に関わるmTORC1の基質の一つである。われわれは分裂酵母mip1-Y533A変異株中で、Atg13タンパク質のリン酸化が損なわれることを発見した。Atg13のアミノ酸配列を調べたところ、TOSモチーフ様配列が一箇所みつかり、ここに置換変異を導入するとAtg13のリン酸化が損なわれることが確認できた。これらの実験から、mip1-Y533A変異を用いることによって、TOSモチーフをもったmTORC1基質を同定できることが示された。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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