2021 Fiscal Year Annual Research Report
胎仔生殖細胞に特有の代謝状態による卵母細胞への分化制御機構
Project/Area Number |
19H03231
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松居 靖久 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (40241575)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 卵母細胞 / 代謝 / エピゲノム / MPC / TCA回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではエネルギー代謝経路の、胎仔卵巣内の卵母細胞の発達における役割を解明することを目的としている。そしてミトコンドリアへのピルビン酸取込に働くMPC2タンパク質と、その下流のTCAサイクルの代謝物の中でエピゲノム制御に必要なα-ケトグルタル酸、さらにその制御下にあると考えられた、卵胞発達に重要な増殖因子であるGDF9が、初期段階の卵胞発達に重要であることを明らかにした。そこでさらに、MPC2によるミトコンドリア代謝産物の維持を介したエピゲノム制御と遺伝子発現が、卵胞形成に働く可能性を調べた。そのために、胎仔卵巣の器官培養系にMPC2の阻害剤を入れた際に発現とエピゲノムが変化する遺伝子を、RNA-seqおよびCUT & RUN-seq解析により調べた。その結果、MPC2阻害により、遺伝子発現と、それを促進するアセチル化ヒストンH4が、ともに低下する遺伝子として269遺伝子を同定し、その中にミトコンドリアの機能や、エピジェネテック制御に関与する遺伝子が濃縮されていること、また卵胞形成に働くことが知られている転写因子遺伝子のNoboxが含まれることが明らかになった。従って、MPC2の下流にあるアセチルCoAの産生が関連したヒストンアセチル化による、それら遺伝子の発現が卵胞形成に働いている可能性が示唆された。一方、MPC2阻害により、遺伝子発現とアセチル化ヒストンH4がともに上昇する遺伝子として433遺伝子を同定し、その中にはいろいろな組織の発生に関与する遺伝子の濃縮が見られたが、エピゲノム制御や卵胞形成に関与する遺伝子は見られなかった。
|
Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(3 results)