2019 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanism of cellular reprogramming by ribosome
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19H03235
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
太田 訓正 九州大学, 基幹教育院, 教授 (90244128)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | リボソーム / 大腸菌 / 発現ベクター / タンパク質産生 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、タンパク質合成装置と考えられてきたリボソームが、リプログラミング物質実体であることを突き止めた(Ito et al., Scientific Reports, 2018)。振り返ってみると、「ヒト皮膚細胞が乳酸菌を取り込むと細胞塊を形成する」という現象は、乳酸菌体内に充満するリボソームに起因する結果であったと考えれば得心がいく。細胞運命の転換現象は明らかになったが、運命転換機構はまだ解明されていないことから、本研究において、リボソーム誘導型多分化能細胞の分子メカニズムを解析することで、初期発生システムを解き明かし、多能性の意義を問うことが本研究の目的である。 最初のステップとして、ナショナルバイオリソースプロジェクト(遺伝学研究所)より入手した大腸菌リボソームを構成する54種類のタンパク質の発現ベクター(His-tag付与)を用いた。個々のリボソームタンパク質発現ベクターを感染させた大腸菌を培養後、IPTG処理を行い、タンパク質合成を誘導したが、解析に用いるにはタンパク質の産生が少なかった。そこで、様々な発現ベクターを調べたところ、新たな細胞用発現ベクターを見出すことが出来たので、現在、高効率なタンパク質産生を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新たな細胞用発現ベクターを見つけるのに、時間がかかった。また、効率よくタンパク質を産生するためのプロトコールの樹立に時間を費やした。
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Strategy for Future Research Activity |
どうにか、解析に用いるためのタンパク質量が確保できる目処がついたので、個々のリボソームタンパク質を細胞内で発現させ、形質転換への影響を観察する。
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