2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19H03250
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山地 直樹 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (00444646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三谷 奈見季 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (40581020)
横正 健剛 岡山大学, 資源植物科学研究所, 助教 (50790622)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 節 / イネ / 環境応答 / 応答調節 |
Outline of Annual Research Achievements |
イネ科植物は「節」を構成単位とするモジュール化された体制を採用しており、節には栄養素の分配や成長/休眠の制御などの機能が高度に集約されていることか ら、個体レベルの環境応答においても様々なシグナルの受発信/変換/転送を担う主要な情報処理の場であると考えられる。 昨年度までに、節の環境応答に関与する遺伝子を見出すため、出穂期のイネに対し、短期的なストレス処理を行った最上位節(節I)と下位節(節V-VI)の次世代シーケンサーを用いたRNA-seq解析を実施した。各処理区で発現が有意に変動した転写調節因子、受容体、ペプチドホルモン、などをコードする数十の機能未知遺伝子を選抜した(一次選抜)。さらに定量的RT-PCRによるより詳細な遺伝子発現解析を行い、既存の発現データベース等の情報も加味して検討した結果、節において他の器官よりも特に発現レベルが高く、いずれかのストレス処理に顕著に応答する13の遺伝子を選抜した(二次選抜)。本年度は、これらの遺伝子についてCRISPR/Cas9法による遺伝子破壊株を作出し、ターゲット領域の遺伝子型を確認した。T0およびT1世代の破壊株を用いた予備的な解析を行ったところ、イネの生育や無機栄養素の蓄積性に影響が見られる破壊株が複数含まれていた。なかでもペプチドホルモン様のタンパク質をコードし、節に高発現するする遺伝子の一つは、根のケイ酸吸収に顕著に影響を及ぼすことを見出した。イネのアルミニウム耐性遺伝子でバクテリア型ABC輸送体のサブユニットをコードするSTAR1については、節における無機栄養素の分配実験を行ったが、野生型イネとstar1変異体との間に有意な違いは認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
STAR1についてはこれまでの実験では節における役割を解明できなかったが、star1変異体において節での発現が大きく変化する遺伝子の変異体について引き続き解析を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り、免疫組織染色などによる組織特異的発現の解析、変異体におけるトランスクリプトーム解析などを通じて各候補遺伝子の機能と役割を順次解明していく。
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