2021 Fiscal Year Annual Research Report
有胎盤哺乳類におけるSRY遺伝子に依存しない新しい性決定メカニズムの解明
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19H03267
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
黒岩 麻里 北海道大学, 理学研究院, 教授 (20372261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 修治 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, システム発生・再生医学研究部, 部長 (20382856)
伊藤 武彦 東京工業大学, 生命理工学院, 教授 (90501106)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | トゲネズミ / XO / ゲノム編集 / SOX9 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、Y染色体と、性決定遺伝子SRYを消失したアマミトゲネズミ(Tokudaia osimensis)において、SRY遺伝子に依存しない有胎盤哺乳類の新しい性決定メカニズムを明らかにすることを目的としている。我々は、これまでに本種の全ゲノム配列を用いた情報解析を行い、性差が見られる染色体領域41ヵ所を検出した。本研究では、41ヵ所全ての領域について分子生物学実験によるスクリーニングを行い、実際に雌雄のゲノム間に性差が存在するかを検証した。その結果、SOX9遺伝子上流にオス特異的な重複配列が確認された。従って、性差がみられた重複領域を、ゲノム編集技術によりマウスで再現させ、表現型解析を行い性決定の機能を確認し、領域中の性決定因子(遺伝子、調節配列、non-coding RNAなどを想定)の分子制御について明らかにすることを試みた。解析の結果、重複配列中にSOX9の精巣特異的エンハンサーとして機能し得るエンハンサー候補配列が同定された。従って、本エンハンサー配列を重複させたゲノム編集マウスを作成し、胎児期生殖腺における性分化関連遺伝子の発現と、成獣の卵巣および精巣の解剖学的解析を行った。さらに、得られた性決定因子が、トゲネズミ属全3種中他の2種(オキナワトゲネズミ, Tokudaia muenninkiおよびトクノシマトゲネズミ, Tokudaia tokunoshimensis)にも存在するかを比較解析し、新しい性決定メカニズムが獲得された進化過程を明らかにした。現在までにSRYに因らない哺乳類性決定メカニズムの報告例はなく、本研究が世界で初となる。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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