2021 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎動物における味覚受容体TAS1Rの新規レパートリーの機能解明
Project/Area Number |
19H03272
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
西原 秀典 東京工業大学, 生命理工学院, 助教 (10450727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石丸 喜朗 明治大学, 農学部, 専任教授 (10451840)
戸田 安香 明治大学, 農学部, 特任講師 (10802978)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 味覚受容体 / 味覚 / TAS1R / 脊椎動物 / 進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ゲノム・トランスクリプトームデータの包括的解析に基づいて主要な脊椎動物が持つ味覚受容体TAS1R遺伝子ファミリーのレパートリーを収集し、新規に発見された受容体群についてその発現解析と細胞レベルの機能アッセイをおこなうことで、脊椎動物が持つ味覚が従来考えられていた以上に多様であることを明らかにすることである。最終年度である本年度はこれまで進めてきた遺伝子レパートリー解析、発現解析、機能アッセイに関する全ての結果をまとめ、脊椎動物のT1R受容体の進化プロセスの全容を明らかにした。特に新規TAS1R遺伝子の上流には複数の転写因子結合配列の存在が複数種で確認された。このことは味覚受容体の発現機構が遠縁の種間で保存されていることを示す証拠の一つとなる。この遺伝的メカニズムを解明することは味細胞形成メカニズムの進化的起源を明らかにすることに繋がることから、非常に注目すべき結果となった。また機能解析においては、これまで既知のT1Rが受容しなかったリガンド群を、脊椎動物の中で早期に分岐した生物種が持つ新規T1Rが受容することが明らかになった。このことは脊椎動物による嗜好性の味の認識が従来考えられていた以上に多様である可能性を示唆している。以上のように本研究はこれまで未知であった味覚受容体T1Rの遺伝子と機能の多様性およびその進化プロセスの解明に成功した。なおこの成果はpreprintとして公表済みであり早期に論文として発表予定である。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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