2021 Fiscal Year Annual Research Report
Genetic basis of speciation process driven by adaptation to new oviposition substrate
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19H03276
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
高橋 文 東京都立大学, 理学研究科, 准教授 (90370121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 佳孝 慶應義塾大学, 商学部(日吉), 准教授 (50366952)
野澤 昌文 東京都立大学, 理学研究科, 准教授 (50623534)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 種分化 / 交尾器 / ショウジョウバエ / 遺伝子マッピング / ゲノムシークエンス / 外部生殖器 / 産卵 / 生殖的隔離 |
Outline of Annual Research Achievements |
オウトウショウジョウバエ(Drosophila suzukii)は他の多くのショウジョウバエと異なり新鮮で硬い果実に産卵するため産卵管が長く伸長している。この形態進化は交尾中の雌雄交尾器の立体配置に影響し、種間交尾の際に交尾器がかみ合わないことによって生じる生殖的隔離の要因となっている。このような生殖的隔離の要因となる形態進化の遺伝的基盤を明らかにするため、D. suzukiiと近縁種D. subpulchrellaの戻し交雑個体を用いて、以下の形質の遺伝的解析(QTLマッピング)を完了した。雌の形質:1)産卵管の長さ、2)産卵管の先端の角度、3)産卵管の剛毛数、4)前脚tibiaの長さ、5)翅の長さ。雄の形質:1)生殖器pregoniteの長さ、2)pregoniteの側面積、3)pregoniteの形、4)生殖器surstylusの先端の形、5)surstylusの剛毛数、6)生殖器cercusの面積、7)cercusの剛毛数、8)性櫛の色の濃さ、9)性櫛の剛毛数、10)前脚tibiaの長さ、11)翅の長さ、12)翅の黒斑の位置。これらの形質の多くが、第3染色体に種間差の原因となる遺伝子座が集中していることが明らかとなった。また、生殖器の形が作られる蛹期における遺伝子発現解析(RNA-seq)の結果と照らし合わせ、候補となる遺伝子に関する機能解析を進めた。 形態形質の機能に関しては、交尾の際に伸長した産卵管の先端を把握するsurstylusによる把握位置の詳細や、その外科的切除が交尾成功率を低下させることが明らかとなった。また、長い産卵管を使った産卵を補助する構造として、卵が運ばれる管の内側に棘状の突起があることがわかり、その形態形成の背景にある遺伝子ネットワークの一端も明らかとなった。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)