2019 Fiscal Year Annual Research Report
大規模パターン解析と比較ゲノムで探る動物体表模様の局所的・大域的多様性と進化
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19H03283
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮澤 清太 大阪大学, 生命機能研究科, 招へい准教授 (10377905)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 模様パターン |
Outline of Annual Research Achievements |
動物の体表には多彩な模様パターンが見られる。模様パターンの多様性は、個々の生物分類群に特有の「局所的多様性」と、系統をまたいだ複数の分類群に共通する「大域的多様性」という2つのレベルに分けることができると考えられる。本研究課題では、2つの多様性レベルとそれらに関わるパターン形成メカニズムの違いを踏まえながら、模様パターンの多様性が「なぜ、どのように」生み出されてきたのかを明らかにすることを目指している。本年度はまず、現生の魚類全科・全属(587科・5196属, Eschmeyer's Catalog of Fishes 2018による)の魚種を対象に、模様パターンのアノテーションを行うシステムの開発を行った。FishPix(国立科学博物館・魚類写真資料データベース)、FishBase等のデータベースで公開されている写真資料を活用し、個々の魚種・写真について模様パターンモチーフの有無を判定するWebベースのアプリケーションを作製した。このシステムを用いることで、およそ2万点の写真データについてアノテーションを実行し、現生魚類34,000種余り(同上による)のうち過半数以上、約18,000種についての情報を網羅する魚類模様パターンデータベースを構築することができた。さらに、一部の代表的な魚類分類群については、それぞれの魚種につき多数の写真を用いてパターン定量解析を行い、数理モデルにもとづくシミュレーションの結果と照らし合わせることで、種ごとに異なる模様パターンのバリエーションがどのようなメカニズムによりもたらされるかについて推測した。これらの結果をもとに、模様パターンに関する比較ゲノム解析を行う魚類分類群としてフグ目フグ科モヨウフグ属を選定し、うち1種(ホシフグ Arothron firmamentum)について全ゲノムシーケンスおよびドラフトゲノムアセンブリの構築を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現生魚類のほぼ全ての科、および過半数の種についての情報を網羅する模様パターンデータベースを構築することができており、またパターン定量解析や比較ゲノム解析の基盤整備等も進めることができていることから、当初の研究計画に照らし、おおむね順調に進展しているものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
比較ゲノム解析の対象として選定したモヨウフグ属各魚種について、模様パターンの解析および全ゲノムリシーケンス解析を行い、系統・集団構造と模様パターンとの関連について明らかにしていく予定である。また、今回構築した魚類模様パターンデータベースと既知の系統情報とを合わせ、系統比較解析法を用いることで、模様パターンの多様性の進化過程についても明らかにしていきたいと考えている。
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Research Products
(6 results)
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[Book] Pigments, Pigment Cells and Pigment Patterns (Hashimoto, H., Goda, M., Futahashi, R., Kelsh, R., Akiyama, T., Eds. )2021
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