2023 Fiscal Year Annual Research Report
標高上下間での植物の遺伝的分化と、送粉昆虫が分化の維持に果たす役割
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19H03300
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
市野 隆雄 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (20176291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陶山 佳久 東北大学, 農学研究科, 教授 (60282315)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 標高種分化 / 草本植物 / 送粉昆虫 / 遺伝分化 / 生態型 |
Outline of Annual Research Achievements |
①本年度はキツリフネ、ウツボグサ、ヤマホタルブクロ、ラショウモンカズラの生態調査とMIG-seq法による遺伝解析に区切りをつけた。キツリフネについては長野県内だけでも様々な花期のバリエーション(6, 7, 8月開花)が観察され、これらの花期のバリエーションが異なる山域ごとに独立して生じたことが示唆された。ウツボグサについては標高が高い長野県では大型のマルハナバチが花に訪れており花が大型化していた。標高が低い地域ではより小型のハチ類が花に訪れており花が小型化していた。長野県とそれ以外の地域で遺伝的に分化している傾向もあり、標高間で異なる送粉者相が花形質と遺伝構造の違いをもたらしたと考えられる。ヤマホタルブクロ、ラショウモンカズラについては、当初予想していた標高上下間の遺伝的分化は検出されず、山域間の遺伝的分化が顕著に検出された。集団毎の花形質と訪花者のサイズには関連があり、訪花者のサイズが淘汰圧となっていることが示唆された。 ②キツリフネではさらに1つの山道で標高上下間で異なる形態を伴う早咲き・遅咲きの側所的な分布に着目した研究を行った。この山道にわたるキツリフネの分布域全てを網羅して500個体近くからMIG-seq法による遺伝解析を行った結果、早咲き・遅咲き型は形質と遺伝構造の関連があること、早咲き・遅咲き型間の遺伝子流動はほとんど起こっていないことが明らかになった。これをふまえ標高890mと1325mの実験圃場を用いてエコタイプの相互移植実験を行った。他種植物を除草した条件と、除草しない条件での実験結果を比較した結果、標高890mの遅咲き型の生育環境では、土壌が湿潤で生長しやすい反面、他種草本との競争が激しい傾向が見られた。一方、標高1325mの早咲き型の生育環境では、土壌の乾燥により生長が制限され生存率も低い反面、他種草本との競争は少ない傾向が見い出された。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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