2022 Fiscal Year Annual Research Report
Adaptive significance of morphologically complex flowers in natural grassland communities
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19H03303
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
丑丸 敦史 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70399327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 博 富山大学, 学術研究部理学系, 教授 (90463885)
岡本 朋子 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (50588150)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 複雑花 / 単純花 / 送粉者 / 花形質 / 花の多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
5-9月の期間、菅平高原スキー場草原において複雑花と単純花を2組のペアを対象として調査した。この調査では、同種および競争他種の開花密度の送粉者誘引および送粉成功への影響評価調査を行なった。本調査では40mx50mの調査範囲内に開花する対象種の開花の空間分布と密度(範囲を 2.5mx2.5mメッシュに区切り、各メッシュを方形区として全開花植物の開花数)を記録した。また対象種を含むメッシュにて、各対象種への訪花観察と訪花後の柱 頭の採取を行なった。その結果、単純花アズマギク・キンミズヒキでは自種密度の増加が誘引・送粉成功を高めた。複雑花については、アマドコロでは自種密度によって誘引・送粉が高まる一方で、オオバギボウシでは自種密度や競合多種密度にあまり影響を受けないという仮説を支持する結果を得た。 また、、任意に設定した半径2.5mの円型プロットにおいて、多様な訪花昆虫について野外で個体ごとに訪花履歴を記録することで、定花性の指標である同種間飛行率を定量的に調べ、種・機能群間で比較を行った。その結果、多くの昆虫種において程度の差はあるものの、個体レベルではスペシャリストとジェネラリストとされる昆虫ともに、同種植物の花へ連続して訪花する傾向が見られた。ただし、ハナアブ類や小型ハナバチ類の同種内飛行率はマルハナバチ類に比べて有意に低く、また、観察で用いたプロット内の開花植物の多様度が増加すると、ハナバチ類では有意に同種内飛行率が低下することが分かった。以上の内容は、ともに日本生態学会第70回大会にて発表した。 加えて、菅平高原スキー場において、花筒花のキキョウにおいて、横向きに咲くことで花筒が雨を避けることに機能しつつ、送粉者を効果的に誘引することを明らかにし、Plant Biology誌において論文を発表した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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