2019 Fiscal Year Annual Research Report
Evolution on islands controlled by bottom-up allochthonous inputs and top-down cascading predation
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19H03307
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
長谷川 雅美 東邦大学, 理学部, 教授 (40250162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木寺 法子 岡山理科大学, 生物地球学部, 講師 (30720685)
阿部 晴恵 新潟大学, 佐渡自然共生科学センター, 准教授 (60462272)
栗山 武夫 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 准教授 (70573145)
岡本 卓 京都大学, 理学研究科, 助教 (80554815)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 島嶼 / 海洋生態系 / 系外資源流入 / 栄養カスケード / 適応進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、海洋からの系外資源流入が栄養カスケードを介して、捕食者の食性と被食者の捕食回避の進化、その進化が両者の個体群動態に及ぼす相互作用、さらにその背後にあって生態系の挙動に影響を及ぼす環境要因に至る、包括的な理解を深めることである。そのため、系外資源流入と栄養カスケードが生起する確率を海域別に島嶼ごとに予測し、海鳥食とハゼ食が群集構造と適応進化にもたらす影響の一般性を以下の手順で検証を試みた。 系内・系外自然の分布予測モデルについては、海洋の環境特性と島嶼の地理的条件、及び既存の分布データから、海鳥の繁殖コロニーの存在確率、遡上回遊するハゼ類の多様性、及び系内資源としての小哺乳類、トカゲ類、両棲類の分布確率を予測する統計モデルを作成する。頂点捕食者の分布予測モデル:各島嶼における頂点捕食者の種類を決める地理的・生物学的条件は何か、海洋の環境特性と島嶼の地理的条件、及び既存の分布データから、食肉性哺乳類とヘビ類を対象に各島における頂点捕食者の分布を予測する統計モデルを作成するための分布データを収集した。 系外資源流入と栄養カスケードの地理的パタンの予測については、捕食者と被食者の分布予測モデルから、系外資源流入と頂点捕食者による栄養カスケードの地理的パタンを予測する。この成果を受け、系外資源流入への適応進化の評価:系外資源流入に対応したシマヘビの食性と顎形態の適応進化が、海鳥のコロニーの種類構成と規模、島嶼河川におけるハゼ類の豊富さ、及び両生類の種多様性によって予測可能か、実際の生物相調査の結果を対比させることによって評価を試みた。最終的には、栄養カスケードに対応した捕食回避の進化は、頂点捕食者の種類相からの予測と実際に島嶼で行った個体群センサスの結果及び個体の捕獲、形態形質の測定結果を基に判定することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウィルス感染拡大防止のため、小島嶼における野外調査が大幅に制限された。その後野外調査費の繰り越しにより、遅れを取り戻している。瀬戸内海島嶼、佐渡島、九州西岸の島嶼、四国南岸の島嶼群の野外調査については、基礎分布データの収集をほぼ予定通り実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
伊豆諸島における野外調査が最も遅れていたが、2022年春の野外調査を無事終え、2022年夏期の調査を残すまでに挽回しつつある。
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