2021 Fiscal Year Annual Research Report
疫学パラメータの個体間差異が感染症拡大と生態系全体へ及ぼす影響の解明
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19H03309
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
三木 健 龍谷大学, 先端理工学部, 教授 (00815508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鏡味 麻衣子 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (20449250)
松井 一彰 近畿大学, 理工学部, 教授 (40435532)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ツボカビ感染症 / 感染パラメータ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究遂行の最終年にあたり、分担者と代表者で協力し、倒立顕微鏡(オリンパス製 倒立型リサーチ顕微鏡IX83)によるタイムラプス撮影環境において、培養条件を改善して、生きたまま細胞を観察できる期間を2年目(72時間)よりもさらに延長し168時間の連続撮影に成功した。具体的には、長時間の培養によって培養液が蒸発してしまう問題を、各ウェルの周囲に外堀があるタイプの96ウェルマイクロプレートを用いて外堀に蒸留水を注入して湿度を保つことで解決した。その結果、2年目よりも多くの寄生過程を完遂することが可能となった。結果として、寄生パラメータの個体間差異については新たにツボカビの遊走子が付着するまでの待ち時間については、すでに宿主細胞に寄生しているツボカビ数に依存すること、すわなち、密度依存性があること、を発見した。さらにツボカビの胞子嚢当たりの新規遊走子数は宿主細胞の多重寄生数と負の関係があり、同一細胞上でのツボカビ同士の競争的相互作用が示唆された。しかし同時に、宿主細胞当たりに新規に生産される遊走子数は多重寄生数と正の直線的関係も見出された。以上のことは、植物プランクトン宿主細胞とツボカビの相互作用においては、一回目の寄生がランダムに生じる一方、その1回目の寄生が2回目以降の寄生を促進させ、宿主細胞集団中にランダムな相互作用から想定されるよりも多くの多重寄生宿主細胞を生み出すこと、そしてそのような多重寄生宿主細胞は多くの遊走子を放出し、さらなる寄生を促進するスーパースプレッダーとして機能する可能性を示している。以上の結果について論文執筆を開始するとともに、関連する研究発表を学会で行った。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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