2019 Fiscal Year Annual Research Report
Association between genetic polymorphisms of melatonin receptor and psycho-physiological effects of simulated night shift work
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19H03316
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
樋口 重和 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (00292376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 博樹 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (40401228)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 光環境 / 概日リズム / 交代制勤務 / 睡眠 / メラトニン受容体 / 遺伝子多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、光曝露を伴う模擬的な深夜勤がパフォーマンス、疲労、概日リズムなどに及ぼす影響の個人差とメラトニン受容体の遺伝子多型の関係を明らかにすることである。本実験は倫理委員会の承認を得ており、インフォームドコンセントを得て実施した。1年目は17名の被験者を対象に実験を行った。実験の1週間前から睡眠統制を行った。1日目の夜は、概日リズムの指標であるメラトニンの分泌開始時刻(DLMO)を調べるため、薄暗い環境下で30分ごとに唾液を採取した。2日目は21時から翌朝の9時まで模擬的な夜勤を行った(夜勤時の照明条件は目の位置での鉛直面照度550lx 、色温度4500Kであった)。3日目の夜は1日目と同様のプロトコルであった。2日目の模擬夜勤時には主観的な眠気や疲労感、客観的な眠気の指標としてビジランス課題(PVT)の成績を用いた。夜勤時の光の影響は唾液中のメラトニン濃度によって調べた。夜勤による概日リズムの位相後退の大きさは1日目と3日目のDLMOから算出した。遺伝子多型については、唾液からDNAを抽出し、専用のキットを用い、メラトニン受容体1A遺伝子の近傍にある一塩基多型(SNP)を調べた。過去に同様のプロトコルで行った8名のデータも追加して合計25名のデータが得られた。遺伝子解析の結果、Aアレル保有群11名(AA型+AC型)とAアレル非保有群15名(CC型)に分類できた。今後さらに被験者を追加して実験を行った上で分析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は実験室での模擬的夜勤実験を計画通り実施できた。1年目として予定通りの被験者数のデータを得ることができた。遺伝子解析も順調に進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も今年度の同様の実験プロトコルで実験を繰り返し、遺伝子型の比較の信頼性を高めるために被験者数を増やす予定である。また、今回分析したメラトニン受容体遺伝子1Aに加え、糖尿病と関連が指摘されているメラトニン受容体1Bの遺伝子多型についても調べる予定である。
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Research Products
(3 results)