2021 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュを用いた前庭脊髄路神経回路の動作機構の解明
Project/Area Number |
19H03333
|
Research Institution | Center for Novel Science Initatives, National Institutes of Natural Sciences |
Principal Investigator |
東島 眞一 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究, 生命創成探究センター, 教授 (80270479)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
郷 康広 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究, 生命創成探究センター, 特任准教授 (50377123)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ゼブラフィッシュ / 前庭感覚 / 姿勢制御 / イメージング / 毛様体脊髄路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、遊泳を伴わない微細な姿勢制御機構の解明に重点をおいて研究を進めた。まず、ゼブラフィッシュ幼魚の姿勢制御の動作機構を調べた。ロール方向への傾斜中のゼブラフィッシュの行動を観察したところ、傾斜姿勢からの立て直しに胴体の屈曲が重要であることを示した。力学的な観点から胴体の屈曲による姿勢制御の作用機構モデルを立てた。これは、胴体の屈曲は浮き袋の相対的位置を横方向へ移動させ、これにより重心と浮力中心を横方向にずらすことで姿勢を立て直す方向への力のモーメントを生じさせ、魚は姿勢立て直している、というモデルである。そして、浮き袋内の気体を抜いた魚で行動実験を行うことにより、このモデルが正しいことを実証した。次に、この屈曲運動を司る神経回路の同定を目指した。対物レンズ傾斜顕微鏡を用いたカルシウムイメージングと細胞破壊の実験により、胴体の屈曲は、『①前庭神経核ニューロン(耳から傾斜情報を直接受け取るニューロン群)、②nMLFに存在する網様体脊髄路ニューロン(運動に関わり脊髄に情報を伝達する中枢のニューロン群)、③脊髄運動ニューロン、④浮き袋の脇に位置する筋肉』という神経回路と筋肉で駆動されることが明らかとなった。 本研究により、魚はわずかに傾斜した際に、胴体屈曲による微細な姿勢制御機構を行うこと、そしてその神経回路が初めて明らかになった。この成果は魚の生理学を理解する上で重要な知見である。
|
Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)