2019 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis and Medicinal Chemical Development of Mid-Sized Peptide Conjugate Based on the Chemistry of Solid-Phase Disulfide Ligation
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19H03356
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
林 良雄 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (10322562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 晃弘 東京薬科大学, 薬学部, 助教 (40707311)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 固相ジスルフィドライゲーション / 中分子ペプチド / ペプチド-薬物架橋体 / 創薬 / ケミカルバイオロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
計画した固相ジスルフィドライゲーション(固相DSL)の化学的有用性の検証において、① インスリンのジスルフィド先導型環状ペプチド合成(DSDCPS)では、合成した区分フラグメントの溶解性の問題から、フラグメントの組み直しが必要となり再合成を実施中である。よって、ジスルフィド結合を2本有するエンドセリンのDSDCPSに基づく合成を先に実施した。その結果、比較的高収率で全合成に成功し、DSDCPSの化学的有用性を示す一つの結果を得、J. Org. Chem. (2020) 85, 1495に報告した。また、固相DSLによる環状ペプチド医薬品の合成も開始した。一方、② 機能単位を複数有する新規多重ジスルフィドペプチド(電車ペプチド)の固相DSL合成では、多重RGDペプチドの合成に関する基本データを取得できた(論文執筆中)。一方、2)固相DSL技術の創薬展開への可能性検証では、③ 抗体Fc部結合ペプチド(IgBP)を介して抗体への抗がん剤架橋を予定したが、実際にはIgBPの高度化研究を優先し、構造活性相関研究を行い、高い結合能を有する新規IgBPを創製し、ACS Omega (2019) 4, 14390 並びに Med. Chem. Commun. (2019) 10, 1789に報告した。また、筋の活動に必須なジストログリカンとラミニンの間の相互認識を模倣する新規分子として期待される抗体ー糖鎖架橋体の創製に必要なIgBPー糖鎖架橋体の合成を実施した。更に ④ PDC架橋体創製の基盤整備研究であるタイトジャンクション開口活性を持つ環状デプシペプチドMA026の構造最適化研究では、天然MA026の全合成の過程でその提出構造の間違いに気づき、真の化学構造を決定する研究を急遽実施し同定に成功した(論文執筆中)。また確立された合成ルートを利用し複数のMA026誘導体合成を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インスリンの合成については完了には至らなかったが、同様に複雑なジスルフィド環状ペプチドであるエンドセリンについて、ジスルフィド先導型環状ペプチド合成(DSDCPS)による全合成が終了し、1報の論文執筆に至ったこと、さらに多重ジスルフィドペプチドについても、相当する合成データが得られるなど、相応の成果が得られたことから、化学的有用性の検証については、研究は概ね順調に進展していると言える。一方、固相DSL技術の創薬展開としては、抗体Fc部結合ペプチド(IgBP)に対して、ラミニンへの結合能を有する糖鎖構造の架橋に成功した。今後、ジストログリカンを認識する抗体との選択的な架橋が完了し次第、当該分子がジストログリカンとラミニンの間の相互に認識を模倣できるかを、共同研究を通じて検証していきたい。また、関連研究において2報の論文が受理された。加えてPDC架橋体創製における環状デプシペプチドMA026の研究では、天然MA026について報告された構造に従いその全合成を実施し目的化合物を得たが、所望の活性が得られないことが解った。そこで、少し時間を費やしたが、真の化学構造を決定するための追加的研究を行い、MA026の真の構造同定に至った。当初予定していた構造活性相関研究は、予定より遅れ気味であるが、複数の誘導体の合成は済んでおり、全体を通して固相DSL技術の創薬展開研究も概ね順調に進行していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のように研究は概ね計画通り進行していることから、当初の計画に沿って次年度も研究を展開し、固相ジスルフィド形成の化学を利用して、生命科学や創薬に貢献する中分子ペプチド架橋体の有用性を示していきたい。インスリンの合成については、ペプチドフラグメントの組み直しが進んだことから、DSDCPSに基づく実際のペプチド構造の構築を実施していく。また、固相樹脂上で環状構造を全て構築することを特徴とする固相DSL技術に基づく新しいペプチド合成法の開発も開始する。一方、固相DSL技術の創薬展開研究としては、本来の計画にある抗癌剤―抗体架橋体の創製に注力したい。さらに、可能であれば、IgBPを抗体の特定部位を認識できる触媒として用いて、医薬分子を選択的に抗体へ架橋する技術の検討も実施したい。加えて、MA026の創薬研究では、MA026自体のさらなる構造活性相関研究の推進と共に、医薬品とのPDC架橋体の構築も実施したい。
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Research Products
(30 results)
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[Journal Article] Kinetics-based structural requirements of human immunoglobulin G binding peptides2019
Author(s)
Kyohei Muguruma, Konomi Fujita, Akane Fukuda, Satoshi Kishimoto, Soichiro Sakamoto, Risako Arima, Mayu Ito, Mayu Kawasaki, Shogo Nakano, Sohei Ito, Kanade Shimizu, Akihiro Taguchi, Kentaro Takayama, Atsuhiko Taniguchi, Yuji Ito, Yoshio Hayashi
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Journal Title
ACS Omega
Volume: 4
Pages: 14390-14397
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Structure revision and structure-activity relationship as TJ opener of MA0262019
Author(s)
C. Uchiyama, A. Fukuda, M. Mukaiyama, D. Nakazawa, M. Arimoto, K. Kako, A. Taguchi, K. Takayama, A. Taniguchi, Y. Nagumo, T. Usui, and Y. Hayashi
Organizer
The 7th Modern Solid Phase Peptide Synthesis & Its Applications Symposium
Int'l Joint Research
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