2020 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation on relationship between glycan structure and antibody-drug conjugate function
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19H03357
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
眞鍋 史乃 星薬科大学, 薬学部, 教授 (60300901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安永 正浩 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, 分野長 (80450576)
松村 保広 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, 分野長 (90209619)
佐々木 秀 星薬科大学, 薬学部, 助教 (00459968)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 抗体薬物複合体 / 抗体 / 糖鎖 / ENGase |
Outline of Annual Research Achievements |
均一な抗体薬物複合体(antibody-drug conjugate:ADC)を合成することは、その治療域を高めることや薬効と合成再現性を担保することが期待されている。ADCは、抗原高発現部位で薬物を放出することで、高い効果と副作用の低下を目指すものである。 一方、抗体には1対のN-結合型糖鎖が存在し、抗体の機能にも影響を及ぼしていることが知られている。糖タンパク質である抗体の糖鎖構造は不均一であるため、糖鎖の役割について十分に解明されていない。 本研究課題においては、エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼとその改変体を用いて、抗体糖鎖改変を行い、糖鎖部分に搭載薬物を結合させた均一構造のADCの作成方法の開拓を行う。本手法では、糖鎖構造も均一化できる。開拓した方法論を用いて系統的に均一ADC の合成を行い、その機能を評価することを目的とする。 さらに、有機合成で系統的に薬物結合部位を変化させた糖鎖を合成し、それらを用いてADC化する。薬物結合部位として、保護基であるアリルエーテル基を酸化開裂することにより他の水酸基と異なる官能基を導入し、薬物結合部位を創出する。薬物結合部位を持つ糖ユニットを用いて、糖鎖の化学合成を行う。さらに化学合成糖鎖をオキサゾリンとすることで、改変エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼの基質とする。 抗体の不均一糖鎖をエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼにより切断し、薬物結合部位を持つ糖鎖オキサゾリンを抗体に付加する。最後に適宜体内において薬物放出を可能とするリンカーを結合させた薬物を糖鎖部位に結合させることにより、糖鎖部位に薬物を結合させた均一ADC を系統的に得る。得られたADCの機能評価を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
薬物付加官能基を結合した糖鎖の系統的合成を完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
合成した薬物付加官能基を付加した糖鎖をオキサゾリン化し、抗体に結合する。IgGのFc部の糖鎖をENGase で切断し、改変ENGase を用いて糖鎖付加を行う。さらにリンカー付き薬物をクリック反応で結合させ、ADC を得る。
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Research Products
(7 results)