2019 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of synthetic pathway for lysophosphatidylserine in activated lymphocytes.
Project/Area Number |
19H03366
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 淳賢 東北大学, 薬学研究科, 教授 (20250219)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | B細胞 / GPCR / G12/13 / リゾリン脂質 / リゾホスファチジルセリン |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は最近、リゾホスファチジルセリン脂質を認識するGPCRとしてリゾホスファチジルセリン(LysoPS)の受容体を同定した。同定したLysoPS受容体(LPS2, LPS2L)はともにB細胞に高発現し、特に、胚中心B細胞の前駆細胞に発現していた。また、G12/13と強く共役した。LysoPS受容体のKOマウスは抗原免疫後胚中心B細胞と前駆細胞の数が優位に高く、LysoPSがLysoPS受容体を通じ、B細胞の増殖を負に制御していることがわかった。また、同マウスではCD4 T細胞の数も少ないことが判明した。興味深いことに、免疫後のリンパ節ではLysoPSが顕著に上昇していた。以上のことから、LysoPSは免疫抑制性の当たらな脂質メディエーターであることが判明した。しかし、LysoPSの産生系は不明であり、本研究で解析している。 令和元年度、B細胞がLysoPSを産生することを見出した。LPS2, LPS2LのダブルKOマウスでは免疫後のリンパ節内ではLysoPSの産生が亢進することがLC-MS/MSで解析よりわかった。また、質量顕微鏡技術を用い、リンパ節内のLysoPS産生部位を調べると、LysoPSの分布はB細胞の分布とほぼ一致した。そこで、免疫後のリンパ節からB細胞を単離し、LC-MS/MSでLysoPSを解析すると、免疫刺激後のB細胞はLysoPSを多く含んでいた。また、in vitroのLPS2, LPS2L受容体活性化アッセイにおいて、単離したB細胞は強いLPS2, LPS2L受容体活性化能を示した。以上のことから、LysoPSはB細胞のオートクライン因子であり、また、活性化B細胞自身にLysoPSを産生する機構があることがわかった。今後、活性化B細胞をモデルとして、産生酵素の同定を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで全く手掛かりがない生理活性リゾリン脂質の産生系に関して、B細胞が機能的産生細胞であることが明らかとなったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまで、LysoPSの産生に関与しうるホスホリパーゼの候補分子はいくつか見つかっている。このうち、活性化B細胞に発現するかで、まず、絞り込みを行い、MaxCyteを用いる遺伝子抑制系を利用し、それぞれの候補ホスホリパーゼの発言抑制し、LysoPSレベルを調べることにより、LysoPS産生系に関与する分子実態に迫る。
|
Research Products
(7 results)