2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of mechanism underlying dysregulation of mitochondrial quality control in the failing heart and its therapeutic strategy
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19H03383
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西田 基宏 九州大学, 薬学研究院, 教授 (90342641)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | タンパク質間相互作用 / 創薬 / 筋疾患 / COVID-19 |
Outline of Annual Research Achievements |
ミトコンドリアの異常分裂をもたらす病態特異的タンパク質間相互作用(Drp1-filamin複合体)の結合部位およびシルニジピンの作用部位の探索を行った。シルニジピンは、Drp1のGTPaseドメインと結合し、filaminのRod2ドメインとの結合を阻害しうることを見出した。さらに、Drp1-filamin複合体形成は、糖尿病モデルマウスの骨格筋や肝臓ミトコンドリアでも誘導され、ミトコンドリア形態異常に伴って全身の糖代謝異常が起こることを見出した。 TRPC3-Nox2タンパク質間相互作用と筋疾患リスクとの関連についても研究を行った。Covid-19重症化・後遺症のリスク因子として、抗がん剤やタバコ、高血糖、心血管病などが疫学的に報告されている。これらリスク因子を心筋細胞に曝露させたところ、共通してangiotensin converting enzyme (ACE2)受容体の発現増加が起こること、その機序としてTRPC3-Nox2複合体形成が関与することを新たに見出した。さらに、昨年スクリーニングで同定したTRPC3-Nox2複合体形成阻害活性をもつ既承認薬の中からSARS-CoV-2ウイルス感染に伴うACE2内在化も抑制できる既承認薬を特定することに成功した。一方、心臓の線維化を仲介するTRPC3/6チャネルが他の組織でも線維化誘導を仲介するか明らかにするため、非アルコール性肝炎(NASH)モデルをTRPC欠損マウスと掛け合わせて肝形態機能評価を行った。その結果、TRPC3, TRPC6それぞれを欠損させたマウスでは、野生型と同様にNASH症状が観察され、有意な抑制効果は認められなかった。この結果から、肝臓の線維化において、TRPC3/6チャネルの関与は小さいことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍で論文ワークが若干の遅れがあったものの、病態特異的タンパク質間相互作用を軸にした心筋リスク軽減を目指す研究はミトコンドリア(Drp1-filamin複合体形成)と活性酸素(TRPC3-Nox2複合体形成)の両輪で進んでおり、両者が相加相乗的に働く可能性が示されてきている。
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Strategy for Future Research Activity |
filamin変異マウスは心臓での表現型がほとんど見られなかったことから、シルニジピンの有効性が顕著に見えている糖尿病や筋ジストロフィーモデルマウスを用いて、Drp1-filamin複合体形成の普遍性及びその分子制御機構を解明する。
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[Journal Article] Clomipramine suppresses ACE2-mediated SARS-CoV-2 entry.2021
Author(s)
Yuri Kato, Shigeru Yamada, Kazuhiro Nishiyama, Ayano Satuka, Suyong Re, Daiki Tomokiyo, Jae Man Lee, Tomohiro Tanaka, Akiyuki Nishimura, Kenzo Yonemitsu, Hiroshi Asakura, Yuko Ibuki, Yumiko Imai, Noriho Kamiya, Kenji Mizuguchi, Takahiro Kusakabe, Yasunari Kanda, and Motohiro Nishida.
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Journal Title
bioRxiv
Volume: preprint
Pages: preprint
DOI
Open Access
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