2022 Fiscal Year Annual Research Report
HLA多型の構造的特徴に基づく皮膚特異的な過敏症リスク薬物の評価系構築
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19H03386
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
伊藤 晃成 千葉大学, 大学院薬学研究院, 教授 (30323405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 忠次 千葉大学, 大学院薬学研究院, 准教授 (90257220)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | HLA |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの研究から、皮膚細胞ではアバカビル(ABC)がB*5701多型特異的に小胞体ストレス(ERストレス)を引き起こすことがわかっている。ERストレス発生に組織選択性があるか知るため、ABCの経口投与後、組織を単離してERストレスマーカーの発現を調べた。その結果、皮膚ではERストレスが生じていることが確認された一方、肝臓、腎臓、脾臓ではERストレスが起こっていないことがわかった。厳密には他の組織も網羅する必要があるが、ERストレスには一定の組織選択性があることが示された。 ERストレスが皮膚症状に関連しているか調べるため、in vivoでERストレス緩和剤の併用を試みた。予想外に、多型導入マウスではABCの単回経口投与6時間以内に耳介皮膚血管透過性が亢進することが見出され、これがERストレス緩和剤でキャンセルされた。さらに、昨年度までに確立した、PD1欠損CD4除去条件でのABC連投による5日目以降の皮膚炎症についてもERストレス緩和剤併用でキャンセルされた。同モデルでは、ABC投与により皮膚組織へのT細胞遊走に関わるケモカインTARCの血清中濃度が上昇すること、TARCを抗体で中和すると末梢のCD8T細胞の活性化はそのままで、皮膚組織へのCD8T細胞浸潤と皮膚炎症が抑制されることも確認している。ERストレス緩和剤併用時には、末梢CD8T細胞は活性化したまま、TARCの血清中濃度上昇が抑制され、これに伴いCD8T細胞の皮膚への浸潤、炎症の抑制を認めた。 以上から、ABCを単回経口投与して数時間後、つまり感作相ごく初期の時点、さらには連投数日後の惹起相の時点の両方において、皮膚組織選択的かつHLA多型依存的なERストレスが過敏症様症状の発現に関わっていることが示唆された。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)