2021 Fiscal Year Annual Research Report
Roles of lipid signaling and remodeling in nerve injury
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19H03395
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木山 博資 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (00192021)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 軸索再生 / ATF3 / コレステロール |
Outline of Annual Research Achievements |
コレステロールは膜の性質を決定する上で重要な役割があり、軸索再生においてもその役割が考えられる。研究代表者らの過去の研究から、生体膜からコレステロールを引き抜く機能のあるABCA1が軸索損傷応答に重要な役割があると考えている。ABCA1のFloxマウスと研究代表者らが独自に開発したAtf3:BAC Tgマウスを交配したマウスを用いて、神経損傷による再生への影響を明らかにする研究を行った。DRG細胞を培養したin vitroの実験系ではABCA1をノックアウトすると、明らかに神経突起の分岐パターンの変化が見られた。特に神経突起の分岐が著しく増加した。これをin vivoで、軸索損傷特異的にABCA1をノックアウトし、軸索の再生速度の変化を検討した。その結果、ABCA1ノックアウトにより軸索再生には顕著な変化はないものと思われる。今回CreドライバーとしてATF3のプロモーターを用いて新たにコンディショナルノックアウトマウスを作成したが、シュワン細胞でのABCA1の発現も同時に抑制されている影響も考えられる。しかし、in vitroでは明らかな形態変化を引き起こすこと、さらに運動ニューロンの軸索損傷後にはABCA1は顕著な発現亢進が見られることから、コレステロールを膜から除去することによる膜の性質の変化は軸索再生に何等かの影響があると考えている。 また運動ニューロン損傷時の軸索再生にはミクログリアの作用が大きいことがわかっており、脂質代謝に注目してグリアの影響を考えるため、中枢神経系でミクログリアを取り除く実験系を開発していたが、マクロファージに影響を与えずに胎児期のミクログリアを除去するシステムの構築が完成した(Li et al 2021)。また、ミクログリアとアストロサイトの機能の補完性について、2020年度の実績をふまえて総説をまとめた(Konishi et al, 2022)。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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