2019 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪細胞でPPARγ活性を制御する生理活性脂質受容体のG12/13依存性シグナル
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19H03411
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
石井 聡 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (10300815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 大恭 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (70594951)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | リゾホスファチジン酸 / LPA / Gα12/13 / Gタンパク質共役型受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス白色脂肪細胞においてLPA6 mRNAの発現が認められること、LPA6はLPA4と同様にGα12/13に共役する受容体であることを以前の論文で報告した (Yanagida K et al., JCI Insight. 2018;3:e97293)。そこで、通常食を摂取した18週齢のLPA6-KOマウスにおいて、体重・白色脂肪組織(精巣上体周囲の内臓脂肪組織と鼠径部の皮下脂肪組織)重量・肝臓重量を測定したが、野生型マウスと比較して異常は認められなかった (n = 3-6匹)。次に、8週齢のLPA6-KOマウスに高脂肪食を12週間摂取させて、肥満時における糖脂質代謝異常へのLPA6の寄与について検討した。高脂肪食を摂取してもLPA6-KOマウスは野生型マウスと同等の体重増加を示した (n = 各20匹)。高脂肪食摂取のLPA6-KOマウス由来の白色脂肪組織重量と肝臓重量はともに、野生型マウスと同等だった (n = 各10匹)。ヒトインスリンまたはグルコースを腹腔内に投与(それぞれ1.5U/kg体重 [n = 各10匹] または1.0g/kg体重 [n = 各10匹])した後の血中グルコース濃度の時間変化にも、野生型マウスと有意な差は認められなかった。以上の結果は、マウスの肥満に伴う白色脂肪組織の機能不全に起因する2型糖尿病(インスリン抵抗性や耐糖能低下)の発症にLPA6は関与しないことを示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験系の確立は順調であり、研究課題の達成に支障を来す問題は生じていない。今年度以降は、実験を繰り返し論文発表に向けてデータを蓄積する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はLPA6の寄与は考慮せず、脂肪細胞におけるLPA-LPA4-Gα12/13シグナル軸がPPARγの活性 (発現と機能)を抑制する分子機序の解明に取り組む。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Lysophosphatidic acid-induced YAP/TAZ activation promotes developmental angiogenesis by repressing Notch ligand Dll42019
Author(s)
Yasuda, D., Kobayashi, D., Akahoshi, N., Ohto-Nakanishi, T., Yoshioka, K., Takuwa, Y., Mizuno, S., Takahashi, S., and *Ishii, S.
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Journal Title
J. Clin. Invest.
Volume: 129
Pages: 4332-4349
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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