2019 Fiscal Year Annual Research Report
臓器全体のタンパク質発現・修飾・活性状態の3D検出法開発
Project/Area Number |
19H03413
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
洲崎 悦生 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (10444803)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | セルオミクス / 3次元組織学 / 組織透明化 / 3次元イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
3次元組織学は未だ適応範囲が限定的であるため、研究代表者は理想的な抗体・染色剤の組織内浸透条件を探索し、大型組織サンプルを高効率に3次元染色・観察する新しいプロトコルの構築を進めている。本研究課題では、この3次元組織学技術を発展させ、全身のあらゆる臓器を対象とした臓器スケールかつ細胞解像度の多色3次元染色・観察技術を確立することを目的とする。特に、本技術がRNAなどの核酸ではなくタンパク質を検出対象とできる利点を生かし、タンパク質の発現のみでなくリン酸化などの翻訳後修飾や活性を臓器スケール・細胞解像度で評価する新たな技術の確立を目的とする。本年度は主に全身各臓器の3次元染色プロトコルの検討および評価法の確立を進めた。これまでに、マウス全脳を中心に3次元染色技術のプロトコルの最適化を進め、これをマウス全身各臓器の3次元染色および観察に展開した。特に、抗体や染色剤の浸透程度を評価するため、汎核マーカーである転写因子、クロマチン制御因子(CREBなど)の抗体を用いて、特に腎・膵などの実質臓器を中心に現行プロトコル適応を検討し最適化した。その結果、共同研究ベースで全腎臓を染色する新しいプロトコルを報告した(Hasegawa et al. Kidney International 2019)。さらに、組織が電解質ゲルとしての性質を持つことを明らかにし、この物理化学的特性から新しい高効率な臓器3次元染色プロトコル「CUBIC-HistoVIsion」を構築することに成功し、成果を論文としてまとめ投稿した(Susaki et al. Nature Communications 2020)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体的に当初の計画に従って進行しており、論文発表も複数行なっているため、概ね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までに全身各臓器、特に腎・膵・肝などの実質臓器の3次元染色プロトコルの検討および評価が進んでおり、ある程度の最適化が完了しているが、一方で適用できる抗体の数、透明化工程に伴う抗原性の変化等の問題が露呈してきている。そこで本年度は、透明化工程の改良により抗原性を担保しながら3次元染色・透明化を行える新規プロトコルの構築を進める。脳以外の実質臓器(腎臓、胸腺など)を中心に膜タンパク質など抗原性の影響が見られている複数のターゲットを抽出し、集中的に検討を行う。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] Novel 3D analysis using optical tissue clearing documents the evolution of murine rapidly progressive glomerulonephritis.2019
Author(s)
Puelles VG,Fleck D,Ortz L,Papadouri S,Strieder T,B_hner AMC,van der Wolde JW,Vogt M,Saritas T,Kuppe C,Fuss A,Menzel S,Klinkhammer BM,M_ller-Newen G,Heymann F,Decker L,Braun F,Kretz O,Huber TB,Susaki EA,Ueda HR,Boor P,Floege J,Kramann R,Kurts C,Bertram JF,Spehr M,Nikolic-Paterson DJ,Moeller MJ
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Journal Title
Kidney international
Volume: 96
Pages: 505-516
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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