2020 Fiscal Year Annual Research Report
Non-permeation function of TRPM2 channel complexes and its physiological relevance
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19H03417
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森 泰生 京都大学, 工学研究科, 教授 (80212265)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | イオンチャネル / TRP / Ca2+ / STAT / 活性酸素 / マクロファージ / 機能分極 |
Outline of Annual Research Achievements |
Transient receptor potential (TRP)タンパク質は、様々な化学的・物理学的変化を感知することにより活性化開口し、Na+とCa2+等を透過させる陽イオンチャネルである。しかし、近年、陽イオン透過とは異なる「非チャネル機能」を、いくつかのTRPアイソフォームが備えるという報告がなされた。本新奇機能は旧来の理解を超えた発見であるが、機構や生物学的意義の裏付けに乏しく、チャネルにおける普遍性は未解明である。そこで、本研究はTRPの「非チャネル機能」を理解することを目指し、28種のTRPアイソフォームのうち、チャネル(channel)と酵素(enzyme)の両機能を備えるchanzymeであるTRPM2を追究する。TRPM2のチャネル機能については、我々は既に、活性酸素種(ROS)のH2O2、ADP ribose、及び37℃以上の温度により活性化・チャネル開口が誘導され、高いNa+及びCa2+透過性を示すことを明確にしているが、「非チャネル機能」の研究は未開拓である。そこで、まず、チャネル孔を形成しない可溶性のTRPM2細胞質ドメインに相互作用するタンパク質を網羅的に同定する。次いで、TRPM2タンパク質複合体について、詳細な相互作用部位、活性化因子であるH2O2や透過イオンCa2+の作用様式、C末端の酵素活性の役割等を解析する。また、生物学的役割を評価する系として、最もTRPM2発現が豊富であるマクロファージに着目し、TRPM2複合体のチャネル機能、動態、分解過程を細胞レベルで解析する。さらに、TRPM2複合体が調節するシグナル伝達、及び感染防御・炎症に関係する所謂M1型と創傷治癒に関係する所謂M2型へのマクロファージの機能分極に注目する。そして、個体レベルにおいて、TRPM2によるマクロファージの機能分極の調節と炎症応答等の調節を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TRPM2において非チャネル機能を仲介することが想定されるN-末端側細胞質ドメインの相互作用タンパク質を網羅的に探索し、複数同定したタンパク質の中から、サイトカイン受容体シグナルへの枢要な関与が知られるSignal transducer and activator of transcription 3 (STAT3) に注目した。STAT3のTRPM2チャネルに対する作用を組み換え発現系を用いて検討したところ、H2O2によるTRPM2を介した陽イオンチャネル電流・Ca2+流入の活性化は抑制したが、ADPRによるTRPM2チャネルを介した陽イオンチャネル電流の活性化には変化はなかった。また、STAT3とTRPM2の共発現によりH2O2の存在下でそれぞれの発現レベルが激減することが分かった。次いで、最もTRPM2発現が豊富であるとともにSTAT3の重要性が知られているマクロファージに着目したところ、感染防御・炎症型への機能分極が抑制されることがわかった。さらに、TRPAM2と同様に高いH2O2感受性を示すTRPA1を解析したところ、そのN-末端側細胞質ドメインへがユビキチンリガーゼNEDD4-1の足場として働くことにより、膜タンパクの形質膜から細胞内膜へと移行を調節する可能性を示唆する知見が得られつつあり、「非チャネル機能」のTRPにおける普遍性の兆しも見えつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
TRPM2における非チャネル機能を仲介するTRPM2細胞質ドメインに相互作用するタンパク質を網羅的に同定し、最も強くTRPM2 N-末端側細胞質ドメインに結合するタンパク質としてSTAT3を突き止めていることから、TRPM2-STAT3タンパク質複合体について、詳細な相互作用部位、活性化因子であるH2O2や透過イオンCa2+の作用様式、C末端の酵素活性の役割等の追究を継続する。また、最もTRPM2発現が豊富であるとともにSTAT3の重要性も知られているマクロファージに着目し、内因性TRPM2-STAT3複合体のチャネル機能、動態、分解過程の細胞レベルでの解析、ならびにTRPM2複合体が調節するシグナル伝達、感染防御・炎症に関係する所謂M1型と創傷治癒に関係する所謂M2型へのマクロファージ機能分極の意義の解明に取り組む。並行して、個体レベルにおいて、TRPM2によるマクロファージの感染防御・炎症型への機能分極の意義を明らかにする。さらに、TRPA1の解析にも取り組み、「非チャネル機能」のTRPにおける普遍性も追究する。
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[Journal Article] Striatal TRPV1 activation by acetaminophen ameliorates dopamine D2 receptor antagonists-induced orofacial dyskinesia.2021
Author(s)
Nagaoka K, Nagashima T, Asaoka N, Yamamoto H, Toda C, Kayanuma G, Siswanto S, Funahashi Y, Kuroda K, Kaibuchi K, Mori Y, Nagayasu K, Shirakawa H, Kaneko S.
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Journal Title
JCI insight
Volume: 6
Pages: e145632
DOI
Peer Reviewed
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