2019 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of novel circular RNA in pancreatic cancer
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19H03430
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大塚 基之 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90518945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 玲緒 公益財団法人がん研究会, がん研究所 がんエピゲノムプロジェクト, プロジェクトリーダー (60607985)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 膵癌 / 環状RNA |
Outline of Annual Research Achievements |
罹患数が増えており難治癌の代表でもある膵癌の予後改善のためには、早期発見を可能にする新規バイオマーカーの同定、発癌機構の解明に基づく癌化予防法の開発が喫緊の課題である。本申請者は近年、通常の解析では解析対象から外されることの多い反復配列RNAと呼ばれる特徴的な配列を持つnon-coding RNAが 膵癌で高発現しており、それを血中で高感度に検出可能にする方法(TRAP-digital PCR法)を考案して癌スクリーニングでの有用性を見いだした。また、そのnon-coding RNAが膵管上皮細胞の癌化にも関わっていることを in vitro および in vivoで確認した。本研究では、膵癌組織RNAを用いて、反復配列RNAと同様、通常の解析では見落とされる可能性が高い環状RNA(Circular RNA)に特化したRNA sequencing を行い、in silico 解析も駆使して、これまで知られていなかった膵癌で高発現している新規のcircular RNAを取得し、その全貌解明と、バイオマーカーとしての有用性、および発癌過程における生物学的な機能を解析することを目的としている。 本年度は、正常膵5例と膵癌5例の組織由来のRNAをRNase R処理した後のRNA配列を平均で70Mb読み取った検討から、既存の circular RNA database (circBase)には無い320種の新規circular RNA候補を既に同定した(正常膵組織よりも膵癌組織での発現量が多いRNAにかぎる)。さらに、膵癌で高発現しており、既存のデータベースにない新規の環状RNAの全長配列を決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度は、正常膵と膵癌の組織由来のRNAをRNase R処理した後のRNA配列を平均で70Mb読み取った検討から、既存の circular RNA database (circBase)には無い新規circular RNAを同定したが、さらに、「膵癌で高発現しており、既存のデータベースにない新規の環状RNA」の全長配列まで決定しえた。
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Strategy for Future Research Activity |
ひきつづき、膵癌で高発現しており、既存のデータベースにない全長配列を決定しえた新規環状RNAについて、膵癌組織での発現様式や発現量の差、他の細胞株での発現状況、発現機構、血清での検出、生物学的機能の解析など、発現状況の把握だけでなく、生物学的解析、および、trnaslational な意味づけを目指した検討を続けていく。 また、まだ全長配列を同定できていない新規の環状RNAの中から、解析すべきものをデータベースなどを駆使した上で決定し、その全長配列と機能と応用について検討を進めていく。新規でかつ有用性の明らかなものについては、特許取得も念頭に置いて検討を進めていく。
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Research Products
(5 results)