2022 Fiscal Year Annual Research Report
新規マウスモデルを用いた細胞老化制御機構の解明による『老い』の分子基盤の構築
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19H03431
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
城村 由和 金沢大学, がん進展制御研究所, 教授 (40616322)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 個体老化 / 細胞老化 / 一細胞遺伝子発現解析 / 細胞周期 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞老化は個体老化・加齢性疾病の発症・進展に深く関与することが知られている。2022年度は、前年度に引き続き、生体内の老化細胞を一細胞レベルで同定・単離・トレースを可能にした『p16-CreERT2マウス』の老齢個体のサンプルを用いた一細胞RNA-seq解析データを基に詳細な遺伝子発現解析を行った。その結果、皮膚に関しては、様々な細胞種において老化細胞が存在することが認められたが、特に線維芽細胞において多く認められた。また、老化線維芽細胞における遺伝子発現変化を解析したところ、線維化の促進に関わる遺伝子の発現が高いことが明らかになった。また、腎臓に関しても様々な老化細胞種が同定されたが、その大部分は近位尿細管細胞であることが分かった。また、その特徴として、水分子輸送に関わるアクアポリン関連遺伝子群の発現が高いことも分かった。肝臓に関して、非アルコール性肝炎病態モデルで老化細胞が多く認められた血管内皮細胞やクッパー細胞などの非実質細胞に加えて、肝実質細胞において多くの老化細胞が認められた。その遺伝子発現の特徴として、その他の非実質細胞種のマーカーを発現する、いわゆる『細胞系譜の不安定』が認められた。 一方、一細胞遺伝子発現解析から、老化細胞の一部は免疫チェックポイント関連遺伝子PD-L1の発現が高いことも見出した。実際にフローサイトメトリーを用いた解析や組織免疫染色の解析により、タンパクレベルでの発現も確認できた。また、細胞追跡実験により、PD-L1陽性細胞は加齢に伴い体内に蓄積しやすいことも見出した。加えて、免疫チェックポイント阻害剤である抗PD-L1抗体の投与により、老化細胞の除去が可能であることや様々な加齢性変化を改善できることを見出した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)