2020 Fiscal Year Annual Research Report
Regulatory mechanism of transcription by ciliary proteins.
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19H03447
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
水津 太 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (90431379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳光 浩 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 教授 (20237077)
平田 徳幸 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (40595956)
松岡 達臣 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 教授 (90209510)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 一次繊毛 / 平面内細胞極性 / 転写活性調節 / 形態形成 / 繊毛虫 |
Outline of Annual Research Achievements |
一次繊毛(primary cilia; non-motile cilia)は、細胞膜と9+0の微小管細胞骨格から成る一本の毛様体で、現在では哺乳類のほとんど全ての細胞に存在する事が知られている。9+2の骨格から成る運動性繊毛(motile cilia)と違い、一次繊毛は、これまで機能を持たない単なる遺残物として見なされてきた。近年、この一次繊毛が多様な機能を持ち、一次繊毛の欠失や機能異常により嚢胞性腎疾患、内臓逆位、中枢神経系や骨格形成異常、多指症、網膜萎縮、肝線維症、肥満などの様々な遺伝性疾患である繊毛病(ciliopathy)が引き起こされることが分かってきた。繊毛病の原因として、現在までのところ、一次繊毛の微細構造の異常が考えられているが、一次繊毛を欠失しても繊毛病の病態を示さない臨床報告例もあり、病因が単純に一次繊毛の構造変異だけに起因するという定説には大きな矛盾点がある。本研究では、多くの繊毛タンパクが核内に局在する点に注目し、繊毛タンパクが、新規転写制御因子として機能する生物機構の証明を目的とする。繊毛タンパクの新規生物機能が明らかになれば、繊毛病やそれに関わる様々な疾病に対するこれまでにない治療法の開発と創薬の発展が期待できる。現在までに、単細胞繊毛虫Colpoda cucullusを研究材料として、いくつかの繊毛タンパクや細胞骨格制御因子などによるシスト(耐性細胞)への形態変化の一端を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
単細胞繊毛虫Colpoda cucullusを研究材料に用いた解析から、一部の繊毛タンパクや細胞骨格制御因子が転写調節因子として機能する可能性が示唆された。またそれら転写調節機能を持つ因子による特定タンパク因子の発現調節やオートファジー制御により、飢餓、乾燥、紫外線、酸性、凍結などに耐性をもつシスト(耐久細胞)への変態過程での転写活性抑制機構や細胞骨格再編成機構の存在が明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
多くの繊毛タンパクが細胞核局在を示す事から、各繊毛タンパクが特異的な遺伝子発現の調節に関与してすることが予想される。細胞核分画からのCHIPアッセイにより、繊毛タンパクによって認識される遺伝子領域の特定と転写活性測定を行う。さらにRNA sequence解析によって、繊毛タンパクに遺伝子発現調節される遺伝子の特定と転写制御機構を明らかにする。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Analysis of Water-Soluble Proteins by Two-Dimensional 1 Electrophoresis in the Encystment Process of Colpoda cucullus Nag-1 and Cytoskeletal Dynamics.2020
Author(s)
Sogame Y, Kojima K, Takeshita T, Kikuchi S, Shimada Y, Nakamura R, Arikawa M, Miyata S, Kinoshita E, Suizu F, and Matsuoka T.
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Journal Title
Acta Protozoologica
Volume: 59
Pages: 107-120
DOI
Peer Reviewed
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