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2020 Fiscal Year Annual Research Report

Evaluation of innate immune resonses induced by baculovirus against malaria liver-stage parasites

Research Project

Project/Area Number 19H03458
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

吉田 栄人  金沢大学, 薬学系, 教授 (10296121)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 伊従 光洋  金沢大学, 薬学系, 准教授 (20608351)
新倉 保  杏林大学, 医学部, 講師 (30407019)
小川 良平  富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (60334736)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywordsマラリア / スポロゾイト / バキュロウイルス / 自然免疫
Outline of Annual Research Achievements

肝臓期のPlasmodium bergheiが感染したBALB/cマウスにバキュロウイルス(BV)を筋肉内接種すると、肝臓期原虫は完全に排除される。BV接種時にはマウス血中にIFN-aやIFN-gが強力に産生誘導される。本研究では、(1)BVによる原虫排除におけるIFNシグナル伝達の重要性を検証するとともに、(2)BVが接種されたマウスの肝臓における遺伝子発現解析を網羅的に行い、原虫排除に不可欠な新規のエフェクター分子の探索を試みた。
IFNシグナル伝達を欠いたC57BL/6マウスにスポロゾイトを感染させ、BV接種の有無で肝臓期原虫が排除されるか、野生型マウスと比較した。野生型マウスでは対照群に比べ、BV接種群で原虫血症が3日間遅延し感染を抑制する効果が認められた。一方、IFN-gR1-/-マウスでは部分的に、IFN-aR1-/-マウスでは完全にBVによる感染抑制効果が消失した。BVによる原虫排除メカニズムにはI型IFNによるシグナル伝達が必須と考えられた。同定されたI型IFNのシグナル伝達経路の下流ではIFN-stimulated genesが発現誘導されるが、その数は300種類以上にのぼり、エフェクター分子の探索を困難とさせる。そこで、原虫排除に関与しないTLR9シグナル伝達経路に着目し、同経路で活性化された遺伝子群を除外することで、原虫排除に関連する遺伝子群の同定を試みた。野生型マウスならびにTLR9-/-マウスにBVやTLR9リガンドであるCpG ODN1826を接種し、6時間後の肝臓サンプルをDNAマイクロアレイに供した。PBS対照群に比較してBV接種した野生型マウスでは562種類の遺伝子が2倍以上の遺伝子発現上昇を示した。このうち、TLR9非依存的に発現上昇した遺伝子は39種類あり、肝臓期原虫の排除に関与することが予想される。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

昆虫ウイルスであるBVは広範な哺乳類細胞に取り込まれ、複製することなく外来遺伝子を高発現できる。一方、BVには自然免疫応答を賦活するユニークなアジュバント効果があることから我々を含む世界の研究グループは、次世代ワクチンベクター開発に利用している。マラリアワクチンへの応用は我々のグループが世界をリードしている。BVのアジュバント効果は、TLR9依存的・非依存的な経路が報告されているが、特にTLR9非依存的な経路として細胞内DNAセンサーSTING(stimulator of IFN genes)による認識シグナル経路からのI型およびII型IFNの誘導が起こる。このIFNsの誘導が、抗原特異的な細胞性免疫応答(獲得免疫)を惹起するアジュバント効果に起因していると考えられているが証明には至っていない。BV誘導性自然免疫応答がアジュバント効果のみならず、肝臓期マラリア原虫を即効的かつ完全に殺傷することを発見した。今年度の成果として、BV誘導性の抗肝臓期原虫エフェクター分子メカニズム・再感染防御メカニズムに関与すると予想される遺伝子39種類を同定したことは大きな成果である。

Strategy for Future Research Activity

TLR9非依存的に発現上昇した遺伝子は39種類の遺伝子のいずれかが肝臓期マラリア排除に不可欠と考えている。これら遺伝子を絞り込むためにin vitro培養肝細胞/スポロゾイト感染モデルを確立する必要がある。マウス培養肝細胞Hepa1-6細胞を使用し、感染モデルを構築する。スポロゾイトを感染させた後、経時的にBV接種マウス血清、組換えIFN-aあるいはIFN-gを加え、感染42時間後にRNAを抽出して肝臓期原虫特異的18S rRNAのコピー数をqRT-PCRで定量化する。これにより肝臓期原虫の増殖阻害率を数値化する系を構築し、RNAi法を用いて候補遺伝子のKO細胞で肝臓期マラリア原虫の増殖阻害がキャンセルされるかを調べ、これにより抗肝臓期原虫エフェクター分子を解明する。
肝臓期原虫殺傷メカニズムはTLR9非依存的・IFN-a/b依存的でありIFN-gやNK細胞の関与も予想している。抗アシアロGMI抗体を用いてマウスの生体内より完全にNK細胞を除去した後にBV筋注による肝臓期原虫の殺傷効果も調べる。

  • Research Products

    (2 results)

All 2021 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Int'l Joint Research] University of Cambridge(英国)

    • Country Name
      UNITED KINGDOM
    • Counterpart Institution
      University of Cambridge
  • [Journal Article] Characterization of the gene expression patterns in the murine liver following intramuscular administration of baculovirus2021

    • Author(s)
      Iyori M, Ogawa R, Bin Emran T, Tanbo S, Yoshida S
    • Journal Title

      Gene Expr

      Volume: 20 Pages: 147, 155

    • DOI

      10.3727/105221620x16039045978676

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2021-12-27  

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