2020 Fiscal Year Annual Research Report
Phoshatidylinositol signal in the enteric protozoan parasite Entamoeba histolytica
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19H03463
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
津久井 久美子 国立感染症研究所, 寄生動物部, 主任研究官 (00420092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 智義 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (60198588)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | イノシトールリン脂質 / 赤痢アメーバ |
Outline of Annual Research Achievements |
真核生物に保存するホスファチジルイノシトール(PtdIns)シグナルが関与する貪食、小胞輸送、核内脂質代謝等の分子過程を腸管寄生性原虫赤痢アメーバにおいて明らかにすることを目的に以下の検討を行った。 A.基質特異性・阻害剤感受性の評価:赤痢アメーバclass I PI3-kinase (PI3KI), PTEN, Sacはゲノムに6,6,3遺伝子存在するが、発現量の高い各1遺伝子について組み換えたんぱく質発現を試みた。PI3KI,PTENについて大腸菌BL21株を用い組換え体発現を検討した。さらに PTENについて精製条件を決定した。組み換え体を用いた脱リン酸化活性評価を行ったが検出された活性が弱く、条件検討を行っている。 B.活性制御機構の解明: Aで検討しているPI3KIとPTENについて、遺伝子発現抑制株の樹立に成功した。PTEN発現抑制株では死細胞のファゴサイトーシスの大きな亢進と生細胞のトロゴサイトーシスの亢進傾向が観察された。GFP-PTEN高発現株ではファゴサイトーシス、トロゴサイトーシスともに抑制傾向であったことから、PTENが多様な貪食過程を負に制御することが示唆された。 C.局在制御機構の解明:PTEN組み換え体、GFP-PTEN発現株を用い、lipid overlay assayによりPtdInsへのアフィニティーを検討した。組み換え体では一か所がリン酸化されたPtdInsへのアフィニティーが観察されたが、高発現株の細胞粗抽出液サンプルではシグナルが弱く、条件検討が必要である。 D.核内PtdIns代謝の解析:核内PtdIns4P代謝を知るため、赤血球との共培養あり、なしのサンプルで核内PtdInsのアイソタイプ解析を行った。しかしPtdInsPの変化は観察されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PTENの解析を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
PTENについての結果を積み、年度内の論文化を目指す。 プラスミド作成のトラブルシュートを行い、PI3KI、Sacについても解析を進める。 核内PtdInsの解析について、手技を工夫し再度解析を行いたい。
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Research Products
(6 results)