2020 Fiscal Year Annual Research Report
Tn-seqを活用したレジオネラ病原性研究の新展開
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19H03470
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
永井 宏樹 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80222173)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | レジオネラ / Tn-Seq |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続きTn-Seqスクリーニングにより得られた、同一のシグナル伝達経路に関わると考えられる2つの候補遺伝子(仮にxとyとする)について解析を行った。遺伝子x, yは細菌内でのシグナル伝達に関わることが予想されたため、RNA-Seqによる標的遺伝子の同定を試み、レジオネラが感染能を獲得する増殖休止期において、遺伝子x, yの欠失により強く発現が減弱する複数の標的候補遺伝子を昨年度までに得ることができた。本年度は、まずRT-PCR法による追試により、RNA-Seqの結果を検証することができた。さらにRNA-Seqの結果に基づきパスウエイ解析を行ったところ、x,yの欠失変異株では、レジオネラ病原性に必須なIV型分泌系の基質である、エフェクタータンパク質群の3割強にあたるものの発現が変化していることを見出した。またこの現象に関与すると考えられる、シグナルを受ける側の候補遺伝子を複数見出すことができた。この現象の生化学的証明を目指して、x, y遺伝子産物であるタンパク質の大量発現・精製を行ったところ、いずれのタンパク質精製においても性質の異なる軽微な困難があったものの、結果として双方とも精製することに成功した。今後、シグナルを受ける側のタンパク質を精製し生化学的に解析を行うとともに、感染細胞内での遺伝子発現の検討などを行い、全ての結果を統合することにより、遺伝子x, yの作用機序を明らかにしていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍による若干の影響があるとはいえ、パスウエイ解析による新たな発見もあり、研究はおおむね順調に進捗していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までに解析を続けてきた遺伝子x, yの作用機序の解明に集中し、詳細な解析を勧めていく予定である。
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