2021 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of novel alarmin on pathogenesis of Rheumatoid Arthrits
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19H03492
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 春巳 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, その他 (70235985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 彰宏 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 室長 (20533318)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 炎症 / アラーミン / 関節リウマチ / マクロファージ / 炎症性サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
関節リウマチ患者血清中のPrXの濃度と各種症状、炎症パラメーターなどとの相関を詳細に検討した結果、抗CCP抗体(ACPA)陽性者において、PrXの血中濃度が高いことが明らかとなった。PrXがACPAすなわちシトルリン化に関与する可能性を考え、関節リウマチに関わる重要なシトルリン化酵素であるPAD4について検討したところ、驚いたことにin vitroでマクロファージをPrX刺激するとPAD4が細胞外に放出されることがわかった。すなわち、PrX刺激を受けたマクロファージは炎症性サイトカインを放出するだけでなく、PAD4の放出を促し、自己蛋白のシトルリン化を誘導することにより、いわゆるネオセルフ抗原の創出を導き、自己抗体の産生に関与している可能性が明らかとなった。 関節リウマチの病態進行におけるPrXの関与を検討するため、マウスモデルであるコラーゲン誘導性関節炎モデル(CIA)を用い、前年度に取得したPrX阻害ペプチドP51を投与することで病態進行が抑制されるかを検討した。P51連続投与により、CIAの病態スコアは有意に減少し、血中サイトカイン濃度やPrX濃度が低下した。さらに興味深いことに、P51投与により血中PAD4濃度も低下しており、PrXが関節リウマチの病態進行に重要な働きをしていることを示すことができた。 以上のように、本研究では関節リウマチの病態形成、進行に全く新しい細胞内アラーミンであるPrXの細胞外放出が深く関与しており、このPrXが単なる炎症誘導アラーミンではなくPAD4の放出を介してネオセルフ抗原を創出することによる自己抗体産生にも関与していることを明らかにすることができた。本研究により、関節リウマチの病態形成の理解が大きく進んだと共に、今後のリウマチ治療戦略に新しい概念を吹き込むきわめて重要な知見を得ることができた。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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